東京都教育委員会が都立中学高校での黒染めの指導廃止を宣言するなど、社会的な行動変容を促すことに成功したパンテーンのキャンペーン「さあ、この髪でいこう。「#HairWeGo」は、一人の女子高生から生まれたナラティブ(物語)でした。(N)
ブランド力を高める広告とはどんなものか。PRストラテジストの本田哲也さんは「業界内で争うことより、社会全体に働きかけることを目指したほうがいい。P&Gのヘアケアブランド『パンテーン』の事例が参考になる」という――。(第1回/全2回)
※本稿は、本田哲也『ナラティブカンパニー:企業を変革する「物語」の力』(東洋経済新報社)の一部を再編集したものです。表題写真=iStock.com/metamorworks※写真はイメージです
ストーリーの主役は企業、ナラティブの主役は生活者
「ナラティブスクリプト」とは何か? さて、5つのステップの中で最も重要な話――ナラティブスクリプトの作成、すなわち「ナラティブを描く」ことについての話を始めよう。
「物語的な構造」であるナラティブを「描く」とは、いったいどういうことなのか。いささか抽象度が高い話に聞こえるが、まずここでプロローグで説明したことの一部をおさらいしておこう。
「ナラティブとストーリーの違い」だ。
ストーリーにおける主役が企業やブランドなのに対して、ナラティブではあなた(生活者)を含むマルチステークホルダーが演者=物語の登場人物となる。ストーリーには「起承転結」があって必ず終わりが来るが、ナラティブは現在進行形であり未来をも包含するので「終わり」という概念がない。
そして、ストーリーの舞台が業界や競合環境なのに対して、ナラティブの舞台は「社会全体」だ。ここではストーリーとの違い、という観点から解説しているが、この3要素こそが、すなわちナラティブというものの特性なのだ。
言い方を変えれば、ナラティブスクリプトの作成、ナラティブを「描く」とは、どのような「脚本」をこの3つの要素をベースに仕立てるかだ。
社会を舞台に、演者たる当該企業とステークホルダーがどのような物語を、永続的に紡いでいくべきなのか。ナラティブを描くことは、映画やドラマにおける脚本家の仕事に近いかもしれない(ちなみに僕自身は、半ば冗談で、「自分の仕事はナラティブ作家」だと仕事仲間に吹聴している)。
ここでは、その具体的な手法論である「ナラティブスクリプト」についても解説する。
パンテーン
2019年4月8日
【”髪型校則のホンネ” ドキュメンタリームービー】
皆さんがずっと疑問に思ってきた学生の”髪型校則”。
「生徒」と「先生」に対話の場を設けました。
ドキュメンタリームービーから見えてくる”髪型校則のホンネ”。
是非ご覧ください。
#この髪どうしてダメですか ドキュメンタリームービー
動画は以下の画像をクリックすると閲覧できます。(YouTube)
パンテーンは「髪型校則」についての対話をきっかけに、
社会全体て゛学生の個性の尊重について考えるきっかけを
サホ゜ートできたらと思っています。
すべての人の前向きな一歩を応援します。
#パンテーン #HairWeGo