【ロイター】
[ニューデリー 18日 ロイター] – ロシアは原油輸出先であるインドの一部の顧客に対して、アラブ首長国連邦(UAE)通貨ディルハムでの支払いを求めている。欧米による経済制裁に直面するロシアが、決済通貨をドル以外に切り替える動きの一環とみられる。3人の関係者の話やインボイス(輸出明細書)で明らかになった。
ロイターが確認したインボイスには、あるインドの精油業者に供給される原油の代金がドル建てで計算され、ディルハム支払いの要求が記されている。
また関係者によると、少なくともインドの精油業者2社は既に一部の代金をディルハムで決済し、数日中に同様の支払いを実行すると付け加えた。ロシア国営石油最大手ロスネフチが利用している商社は今月から、ドル換算した代金をディルハム建てで払うよう求め始めたという。
インドの精油業者は従来、輸送コストが高くつくロシア産原油をほとんど購入してこなかった。ただ欧米の制裁で輸出先が限定されたロシア産原油の価格が急落して中東産や北海産に比べて大幅な割安感が生まれたため、最近になってインドによるロシア産原油の輸入量が跳ね上がっている。(ロイター)
2022.7.21(N)
【ロイター=共同】米大統領「手ぶら」で帰国/石油増産、サウジ確約せず/2022/7/20に掲載した記事が落ち着く間もなく、今回上記のニュースが報道されました。
この記事は「オイルダラー時代における今までには想像もできなかった結果」の一つと考えることが出来ます。
「原油」の国際決済が「ドル」だけではなくなっていくということは、世界(特にG7諸国など)で猛威をふるっている「インフレ」が悪化し、ドル通貨圏に依存している国の経済は後退(衰退し影響力を落とす)していくことになります。
ロシア制裁に参加していないBRICSはじめその関係諸国(中国、インド、アフリカ、中東諸国、中東アジア、南米諸国、その他)は、世界人口、国土面積の70%以上と豊富な資源(原油、貴金属、穀物・食料、労働力)を「ドル決済」から離脱していくことで、BRICSと関係諸国は「安いエネルギーと労働力」によって競争力を加速し、「ドル通貨圏以外」での繁栄の道を拓き始めるというシナリオを容易に想像することができます。2022.7.21(N)