MOBY
更新
「徐行」の道路標識は、特定の交通方法を禁止したり、特定の方法に従って通行するように指定したりする「規制標識」に該当するため、守らないと違反になってしまいます。
これについて「徐行は時速10キロ以下」という見解が一般的ですが、どうしてそう言われるのでしょうか?
「時速10キロ以下」と教える根拠は?
道路交通法によると、徐行とは「車両等が直ちに停止することができるような速度で進行することをいう。」と記載されています。つまり時速何キロとは記載がなく、具体的な数字が示されていません。
教習所で使われている学科教本でも、徐行の標識の説明欄を見ると「車と路面電車は、徐行しなければなりません。」としか書かれていないのです。
徐行について教習所では、「ブレーキを操作してから停止するまでの距離がおおむね1メートル以内となるような速度」として説明しています。目安となる速度は、だいたい時速10キロ以下。時速5キロ以下は「最徐行」などと言ったりもしています。
つまり、徐行の標識が立てられている場所は、ブレーキを踏んでから1メートル以内に停止できる速度=時速10キロ以下で走行すべきでしょう。
違反すると「徐行場所違反」に該当し、普通車では違反点数2点が付加され、7千円の反則金が課されることになるので注意が必要です。
標識がなくても徐行しなければいけない場所がある
さらに注意が必要なのが、標識がなくても徐行しなければならない場所が道路交通法によって定められているということです。
まず、「左右の見通しがきかない交差点」は徐行が義務付けられています。ただし、信号機などで交通整理が行われている場合や、優先道路を通行している場合は除きます。
その他には、上り坂の頂上付近や勾配の急な下り坂、道路のまがり角付近などが挙げられます。上り坂の頂上付近は見通しが悪いために徐行となっていますが、まがり角の場合は、見通しに関係なく徐行しなければならないので気をつけてください。
さらに、以下に示したような場合も徐行しなければいけないので、覚えておくようにしましょう。
- 許可を受けて歩行者用道路を通行するとき。
- 歩行者等の側方通過のときに、安全な間隔がとれないとき。
- 道路外に出るため、左折、または右折するとき。
- 停車中の路面電車のそばを通るときで、安全地帯があるとき。また、安全地帯のない停留所で乗降客がなく、1.5メートル以上の間隔があるとき。
- 交差点で左折、または右折するとき。
- 交差する道路が優先道路やあきらかに道幅の広いとき。
- ぬかるみ、または水たまりの場所を通るとき。
- 身体障害者、または児童、幼児のそばを通るとき。
- 歩行者のいる安全地帯のそばを通るとき。
- 児童、幼児等の乗降のために停車中の通学・通園バスのそばを通るとき。
このように、標識が立てられていなくても徐行しなければならないと定められている場所はとても多く、ドライバーには道路状況を見極めて徐行が必要な場所なのかどうかを適切に判断することが求められます。
MOBY