【bloomberg】
2023.1.6
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実質賃金は8カ月連続減少、名目賃金は0.5%増と11カ月連続プラス
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春闘を見て賃金の基調が変わってくるかが最大の注目点-野村証
昨年11月分の毎月勤労統計調査(速報)によると、物価変動の影響を除いた実質賃金は前年同月比3.8%減少と、2014年5月(同4.1%減)以来、8年半ぶりの大きな減少率となった。市場予想では同2.8%減が見込まれていた。厚生労働省が6日発表した。
実質賃金の減少は8カ月連続。現金給与総額(名目賃金)は同0.5%増の28万3895円と11カ月連続で前年同月を上回ったが、物価上昇のペースに賃金の上昇が追いつかず実質賃金はマイナスが続いている。
毎月勤労統計で用いられる持ち家の帰属家賃を除く消費者物価指数(CPI)は11月に同4.5%上昇。原材料費高騰などの価格転嫁が進む中で1981年6月以来、41年5カ月ぶりの高水準となっていた。
野村証券の野﨑宇一朗エコノミストは、実質賃金の減少は「特別給与の減少(19.2%減)が大きく効いている」と指摘。一方、「給与の本来的な基調を示す所定内給与が前年比1.5%増と今までのトレンドに比べて特に減速はしていない」と述べ、「3月以降の春闘の結果を見て、今後賃金の基調が変わってくるのかが最大の注目点」と語った。
連合は今年の春闘で5%程度の賃上げを企業に求めている。岸田文雄首相は5日、経済三団体の新年祝賀会で「インフレ率を超える賃上げ」を経済界に直接要請した。
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