【毎日新聞】
2023/2/7
文部科学省は、小中学校や高校で今春開かれる卒業式と入学式に、子どもが新型コロナウイルス対策のマスクを外しても出席できるよう感染対策を緩和する方針を固めた。政府は、新型コロナの感染症法上の位置づけを5月8日から「5類」に引き下げ、マスク着用を個人の判断に委ねる方針を決めており、これに沿う形で緩和する。学校現場が混乱しないよう、具体的に外せる場面などを示す。
文科省が学校に示す新型コロナの衛生管理マニュアルでは「身体的距離が十分とれない時はマスクを着用すべきだ」と明記。卒業式ではマスク着用を含むせきエチケットを推奨している。ただ、新型コロナの扱いを季節性インフルエンザと同等の5類に引き下げることから、マスク推奨を緩和するなどマニュアルが示す対応を変える見通しだ。
政府が近く具体例を交えて公表するマスク緩和の全体方針案を踏まえ、文科省は今月中旬までに子どもがマスクを着けなくても、卒業式などに出席できるようにする内容の通知を教育委員会などに出す。
また、コロナ感染で重症化リスクが高い基礎疾患や高齢の家族がいるなどのケースもあり、マスクを引き続き着用したい子どもの妨げにならないよう配慮する。
政府は5類への移行に伴い、マスク着用について行政が一律にルールを設けず、屋内外を問わず個人の判断に委ねる方針を決定。与野党から卒業式などからマスクに関するルールを緩和できるよう求める声が上がり、政府内で検討を進めていた。【深津誠、国本愛】