1991年の湾岸戦争で米軍がイラク戦車部隊に使用した劣化ウラン弾。その使用量は公式に約300トンとされ体内被ばくを引き起こした子どもたちの先天性異常が大きな問題になっています。G7広島サミットが行われる平和記念都市広島。欧州が悲劇のイラクの再来とならないよう国際社会に求め続けることは重要なことです。
【RCC】
2023年3月24日
イギリスがウクライナに引き渡す戦車の弾薬に、放射線毒性などを含む劣化ウラン弾が含まれると明らかにしたことに対し、広島の被爆者団体が抗議する声明を発表しました。
広島県被団協 佐久間邦彦 理事長
「こうしたことが実際に行われるということは、非常に今後が心配」
声明を発表したのは、県被団協の箕牧智之 理事長と、もう1つの県被団協・佐久間邦彦 理事長らです。劣化ウラン弾は「核のゴミ」で作られた非人道兵器で、被爆者は許すことができないと非難しています。
ロイター通信によりますと、イギリス国防省高官は20日、ウクライナに供与する主力戦車「チャレンジャー2」の弾薬には、劣化ウラン弾が含まれるものもあると明らかにしました。劣化ウラン弾は、湾岸戦争やイラク戦争で使用され、放射線毒性を持つことから粉じんが肺などの重要な器官に入り込み、健康被害が出る恐れが指摘されています。
一方、ロシアのプーチン大統領は、劣化ウラン弾の引き渡しが実現した場合、相応の対応をとる考えを示しています。
広島県被団協 箕牧智之 理事長
「ロシアはここぞと言わんばかりにエスカレートして核を使うぞという、今までは脅しだったが、これからは脅しでなくて、本当に使うんじゃないか」
今後、双方のけん制がエスカレートすれば、核戦争へと発展しかねないと懸念を示しました。