福山城博物館テーマ展「福山に開花した刀の世界―受け継がれる刀匠の技―」
(重要刀剣)太刀 銘 備州草土住一乗盛家 一乗盛行(たち めい びしゅうくさどじゅういちじょうもりいえいちじょうもりゆき)
長禄三年八月吉日(個人蔵)
鎌倉時代、備前から移住してきた助国(すけくに)一派が神辺御領(ごりょう)付近で作刀を始めることで、福山における刀剣の歴史は始まります。
本資料はそこから派生した一流派である、法華派(ほっけは)の太刀です。現在も水呑町の妙顕寺にその開祖である一乗妙性上人(いちじょうみょうしょうしょうにん)の像が建立され、その偉業を伝えているのですが、南北朝から室町後期まで、草戸を中心に様々な刀匠が活躍しています。制作者はその一人、盛家とその弟子の盛行と呼ばれる人物で、茎(なかご)(持ち手の部分)には長禄3年(1459年)とその制作年が確認できます。刀は時代が進むに連れて、茎を切断し短くすることが往々にしてあるのですが、本資料は500年以上前の古刀であるにも関わらず作刀時の状態であり、しかも制作地が分かる大変貴重な資料です。全体の長さは120cmを超える長大な刀で、切っ先に向かって一直線に伸びる刃紋(はもん)とその迫力をご覧ください。
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