【ntv】
2024年2月16日
日本語のローマ字表記について、みなさんはパソコンで「し」を打つ時、「shi」と「si」のどちらの方法で入力していますか?
日本には「ヘボン式」と「訓令式」の2つの表記があり、地名や駅名などをローマ字で表記する場合は、一般的に「し」を「shi」と表記する、英語のつづりに近い「ヘボン式」を採用している一方、学校の授業でローマ字を学習する際には、「し」を「si」と表記する「訓令式」が原則として使われています。
日本語のローマ字のつづり方をめぐっては、1954年の内閣告示に基づき、これまで70年間にわたって「訓令式」を基本としてきました。しかし、文部科学省による近年の国語に関する世論調査の結果では、「ヘボン式」を使う人が多いという傾向が示されていて、現在、2つの表記が日本で入り交じっている状況が続いています。
2つの表記があることで、教育現場ではこどもが混乱するケースも。
小学校3年生の段階では「訓令式」でローマ字を学ぶ一方で、一人一台配られているタブレット端末などを授業で使う際には、「ヘボン式」のローマ字つづりが教えられる場合もあり、どちらを統一して使えばいいのかわからない、という声があがっているということです。
こうした状況を受け、現在、文部科学省の文化審議会の国語課題小委員会では、ローマ字表記について議論が行われていて、「訓令式かヘボン式かということだけでなく、人々にとって使いやすいものなのか、説明しやすいものなのかというところを考えていく必要がある」などとして、どのようなつづり方を主とするのが適切か、検討が進められています。
文部科学省は今後、外来語表記とローマ字つづりに関する意識調査を行う予定で、この調査の結果も踏まえつつ、来年度以降にローマ字表記に関する考え方を取りまとめたい方針です。