福山市が旧福山そごうの大型複合商業施設「エフピコRiM(リム)」の閉店に伴い昨年8月末に廃止した市の施設「えほんの国」を、天満屋福山店(同市元町)内で再開させる方針を固めたことが2日、分かった。一時は移転を断念したが、市民の惜しむ声などに押される形で2021年度に復活する見通しになった。
えほんの国は、13年11月に同市西町のリム内にオープン。絵本約4千冊をそろえ、読み聞かせや人形劇、リトミックなど親子が楽しめるイベントも人気だった。16~18年度は平均で年約3万3千人が利用した。
市は19年10月にリムの閉店を発表して以降、えほんの国の移転を検討。適当な広さの代替施設が見つからず引っ越し費用もかさむため、いったん移転を断念した。しかし、市民からは廃止を惜しむ声が相次ぎ、枝広直幹市長は市長選再選後の昨年9月の中国新聞のインタビューで「市民の声を聞いてなんとかしたいと思っている」と再開に意欲を示していた。
関係者によると、市は中心部の公共施設や商業施設を念頭に候補地を検討。新型コロナウイルスの感染拡大などの影響で商業施設のテナントに空きが出る中、集客を求める天満屋側との思惑も一致した。
市は、リム内にあった子育て相談窓口と共に21年度にオープンさせる予定。22日に開会予定の市議会定例会に提案する21年度一般会計当初予算案に必要経費を盛り込むとみられる。(門戸隆彦)
<クリック>えほんの国 親子の交流を目的に2013年にオープンし、影絵や海外の絵本、記念写真などが楽しめる18ゾーン(計約890平方メートル)に分かれていた。市は指定管理者制度を導入し、15年4月からは保育施設などを運営するアイグラン(広島市中区)が運営。リムの閉店に合わせて廃止された。
以上、中国新聞デジタルより転載