森林を整備して土砂災害を未然に防ごうと、里山の植生を調査する広島県内初の取り組みが、福山市で始まりました。
福山市沼隈町常石にある里山です。広島県東部森林組合や市の職員が、植生調査に訪れました。
調査は、豪雨による土砂災害発生のリスクが高まっていることを受けて、福山市が、里山や森林を整備することで災害の未然防止につなげようというものです。
急な傾斜地となっているこの一帯では、マツやサクラ、コナラなど樹木の種類はさまざま。大小の木が生い茂っています。下草は、ほとんど生えていない状態でした。
「やはり下草がないと、表土が雨で流れやすい状態です。」(広島県東部森林組合の担当者)
日光が地面まで届き、下草が育つように、幹回りが15センチ以下の木や枯れているものは、伐採するための目印をつけていきました。
「さっきみたいな表面を横走りしているような根はダメよ。」(広島県東部森林組合 粟井英次組合長)
根が浅く、葉が落ちない「常緑樹」を間伐して、水を蓄える力などがある「落葉樹」を混裁する計画で、雨水による土壌の流失を防止できるよう整備したいとしています。
「福山のみならず県内、全国的に荒廃した山が増えている。光さえ差してくれて、下草がしっかり生えて、山の保水につながるようになれば、必ず変わります。」(粟井英次組合長)
福山市によりますと、市内には土砂災害の特別警戒区域が3400か所以上ありますが、そのほとんどが個人が所有する里山だということです。
「森林整備をすることで少しでも市民生活の安心安全につながればと思っています。」(福山市 里山里地担当 渡辺光広課長)
調査は、来年1月末までに市内6か所で実施され、来年度からは本格的な整備も検討しています。
【RCCWeb】