神輿をぶつけ合う勇壮な祭りです。広島・福山市の神社で古くから続く「祇園祭」。久しぶりに勇ましい姿が帰ってきました。

福山市にある素盞鳴(すさのお)神社では、疫病や災を鎮める祭り「祇園祭」が今月の15日から3日間、開催されました。素盞鳴神社の祇園祭は、平安時代に始まったと伝えられていて、全国各地の祇園祭の発祥の地とされています。

新型コロナウイルスの影響で2年間は神事だけでしたが、ことしは神輿の担ぎ手には全員が抗原検査をするなど、感染予防対策をして開催することになりました。

祭り3日目の主な行事「けんか神輿」が始まりました。神輿を激しく揺らしたり、神輿同士をぶつけ合うことで、素盞嗚尊に喜んでもらって、無病息災の願いをかなえてもらう意味があるそうです。

3地区・3基の神輿はおととし、新調しましたが、祭りがなかったため、ことしが初お披露目となりました。重さが400キロ以上ある神輿を40人ほどで担ぎ、ほかの地区に負けまいと激しく動き回り、ぶつけあいます。

ルールは、相撲のように土がついたり、押し切られたりしたら終わりになります。

会場の盛り上がりは最高潮。威勢のいい掛け声が飛び交う中、寄り切った形になり、決着がつきました。

残りのもう1地区は担ぎ手の人数が少ないため、相談したうえで、やわらかくぶつかることにしたそうです。かつては、けがをする人もいたという勇ましい祭りも時代の変化に合わせていきます。最後はお互いの健闘を称えて、祭りは終わりとなりました。

観客たち
「30年ぐらいずっと見て来たので、3年ぶりにやっと見られて本当に楽しかったです」

「毎年のことを思ったら迫力は全然ないけど、お祭りだできて、よかったです」

「最後のコツンというのがかわいかったです「やさしいなと思って」

「久しぶりに祭りが見られてうれしいですね。ことしはいい年になりそうです」

素盞鳴神社 江熊康夫宮司
「祇園祭がいろんな疫病を鎮めてきたという歴史的な経緯がありますので、新型コロナから1日でも早く解放されるような日が来るとわたしは信じています」

3年ぶりに開催されたけんか神輿は、「伝統を守りたい」という人々の願いがあふれる勇壮な祭りでした。