【山陽新聞】
2022年08月05日
岡山県は5日、新型コロナウイルス感染症対策本部会議を開き、流行「第7波」の急拡大に伴い政府が新設した「BA・5対策強化宣言」を出した。新型コロナ特措法に基づく協力要請として、重症化リスクの高い高齢者らに対する混雑した場所への外出自粛をはじめ、適切なマスク着用や少人数・短時間の会食といった対策を呼び掛ける。期間は今月末まで。
強化宣言の発令は中四国で初めて。高齢者や基礎疾患のある人、その同居家族らに対し、人で混み合う場所への出入りを避けるよう求める。県民に対しては3密(密閉、密集、密接)の回避▽会話の際はマスクを着用▽会食は少人数・短時間とする―なども盛り込んだ。医療現場の負担軽減に向けて救急外来や救急車の利用は「真に必要な場合に限る」とした。
クラスター(感染者集団)が相次ぐ学校は感染リスクが高い活動を控え、事業者には従業員の健康管理やテレワークの推進に取り組むよう要請。発症や重症化を防ぐワクチンの早期接種も掲げた。
岡山県によると、県内では6月末からオミクロン株の派生型BA・5への置き換わりを背景に感染者が急増。病床使用率は4日午後5時現在、強化宣言の目安(50%)を上回る57・0%(速報値)となっている。人の移動が活発化する盆期間を控え、感染拡大によるさらなる医療逼迫(ひっぱく)の懸念が高まったとして発令に踏み切った。飲食店の営業時間短縮といった一律の行動制限は求めない。
この日の会議では、コロナ患者を受け入れるベッドを30床増やして584床とするほか、県保健所による自宅療養者の健康観察業務を高齢者らに重点化することも決めた。
伊原木隆太知事は会議後の取材に「感染拡大の波にのみ込まれ、事態が急速に悪化している。(新規感染者数が)ピークに達したとの確信も全く持てない。コロナ禍が始まってから今ほど感染しやすい状況はなく、県民にはそれぞれ防止策を徹底してほしい」と述べた。
(2022年08月05日 22時04分 更新)