【幻冬舎】
2023.1.22
「わが子には苦労をかけたくない」とは思うものの、子供の教育費が家計を圧迫している家庭も多いのではないでしょうか。そんなとき活用してほしい教育資金の補助制度があると、FP Office株式会社の石井悠己也氏はいいます。今回は、幼稚園や保育園の入所時・高校進学時・大学や専門学校等の進学時、それぞれ活用できる補助制度についてみていきましょう。
幼保、高校、大学…知っておきたい教育資金の「補助」制度
今回は、意外と知られていない教育費の補助についてお話していきます。
1.幼児教育・保育の無償化
いわゆる「幼保無償化」の対象となるのは、3~5歳児クラスの幼稚園、保育所、認定こども園等に通う子どもたち。これらの施設の「利用料」が無料です。
とはいえ、すべてが無料というわけではなく、たとえば私立幼稚園のうち私学助成園で利用料が月額2万5,700円を超える場合、超えた部分は保護者の自己負担になります。
下のチャートでご自身がどの部分に該当するか確認してみましょう。
なお、0~2歳時に関しては住民税非課税世帯が無償化の対象です。
2.「高等学校等就学支援金」と「高校生等奨学給付金」
「高等学校等就学支援金」:いわゆる「高校無償化」の制度です。意外と知られていませんが、高校の学費も無償化の対象です。一定の収入要件があります。
保護者の年収基準は、目安は約910万円未満。公立高校の場合は、年間の授業料に相当する11万8,800円が支給されます。
私立高校の場合、保護者の年収目安が約590万円未満の世帯については、2020年4月から私立高校の平均授業料を勘案した水準まで引き上げられ全日制高校では39万6,000円が支給されます。
保護者の年収目安が約590万円から約910万円未満の場合は、公立と同額の11万8,800円が支給されます。この制度は各自治体との併用も可能です。
上記の例ですと、たとえば東京都の場合は、私立高校の補助額が39万6,000円から46万7,000円まで引き上げられます。年収910万以下の家庭が対象です。各都道府県で若干補助額が違いますので、確認してみるといいでしょう。
「高校生等奨学給付金」:高校生等奨学給付金は、主に低所得者を対象に、授業料以外※の負担を軽減するために導入された支援制度です。
※ 授業料以外の教育費とは、教科書費、教材費、学用品費、通学用品費、教科外活動費、生徒会費、PTA会費、入学学用品費、修学旅行費等。
対象世帯は下記となります。
■生活保護受給世帯【全日制等・通信制】
・国立・公立高等学校等に在学する者:年額3万2,300円
・私立高等学校等に在学する者:年額5万2,600円
■非課税世帯【全日制等】(第1子)
・国立・公立高等学校等に在学する者:年額11万4,100円
・私立高等学校等に在学する者:年額13万4,600円
■非課税世帯【全日制等】(第2子以降)
・国立・公立高等学校等に在学する者:年額14万3,700円
・私立高等学校等に在学する者:年額15万円2,000円
■非課税世帯【通信制・専攻科】
・国立・公立高等学校等に在学する者:年額5万500円
・私立高等学校等に在学する者:年額5万2,100円
※家計が急変して非課税相当になった世帯も対象になります。また、新入生は、4~6月に一部早期支給の申請ができる場合もあります。