【businessinsider】
Feb. 12, 2023,
- 電気自動車のスタートアップ、アプテラは最初のモデルに関する詳細を発表した。
- この車の航続距離は400マイルで、内蔵の太陽電池を使って1日に40マイル走行できるという。
- より多くの資金が必要ではあるものの、2023年に生産を開始する予定だ。
充電がそれほど面倒でなければ、電気自動車の購入をを検討する人はさらに多くなるだろう。
電気自動車のスタートアップ、アプテラ(Aptera)は、生産を開始するのに十分な資金を調達できれば、それに関して革新的な解決策を提供できるかもしれない。カリフォルニア州に本社を置く同社は、2023年1月にソーラーカー「ローンチ・エディション(Launch Edition)」を発表した。この車は顧客の元に届けられる最初のモデルになる。
アプテラは他のスタートアップとは明らかに異なるアプローチで電気自動車に取り組んでいる。リビアン(Rivian)が頑丈さと実用性に重点を置き、ルーシッド・モータース(Lucid Motors)が豪華さと性能を優先する一方で、アプテラは効率性を重視している。結果、アプテラの車は路上にある他のどの車とも違うものとなっている。太陽光を駆動エネルギーに変換するソーラーパネルを搭載する超軽量・超空力的な三輪車なのだ。
アプテラは、2020年に初めて一般的なコンセプトと予備設計を発表した。そして2023年1月20日、最初の生産モデルの主な詳細をバーチャルイベントで明らかにした。
生産を合理化し、製造立ち上げ時の複雑さを軽減するため、アプテラのローンチ・エディション約5000台は1つのバージョンのみだ。航続距離は400マイル(約643km)を目標にしており、3つの車輪に内蔵される3つのモーターでの全輪駆動を採用している。アプテラによると、この車は時速60マイル(約96.5km/h)まで4秒で到達し、最高速度は時速101マイル(約162km)だという。
このローンチ・エディションには、ボンネット、ルーフ、そして後部に700ワット相当のソーラーパネルが搭載される。アプテラは理想的な条件下では、1日40マイル(約64km)を太陽光発電のみで走行が可能だという。今後発売されるモデルでは、パネルを減らすオプションも用意する予定だ。
アプテラはプラグで充電することもできる。ローンチ・エディションには、テスラ(Tesla)標準の充電ポートが搭載されている。
車内には2つのシート、半円形のハンドル、ほぼすべての設定や機能を操作する大型タッチスクリーンがある。バックミラーとサイドミラーはデジタル式だ。大きなハッチからは、ホンダのシビック(Honda Civic)の2倍以上となる32立方フィート(約906リットル)の荷室が現れる。
ローンチ・エディションについて、まだ謎に包まれているのが価格だ。アプテラは生産が近づくまで価格が決められないとしているからだ。
将来的には、航続距離が1000マイル(約1609km)となるモデルも含めカラーや構成を増やしていく予定だという。しかし、まず生産を開始する必要がある。
アプテラの経営陣は、製造を開始するにはすでに調達した8500万ドル(約110億円)に加え、5000万ドル(約65億円)の追加資金が必要だとしている。同社は2023年末までの生産開始を目指しているが、他の電気自動車スタートアップが苦労しているように、新しい車をゼロから作ることは並大抵のことではない。
だがアプテラはそのことをよく理解している。2000年代後半に最初に事業を開始した同社は、その後経営難に陥り、2011年に一度事業を閉鎖している。