【男の隠れ家】
2023.03.23
OpenAIが開発した「Chat GPT」にいま注目が集まっている。検索エンジン市場を独占するGoogleが、そのChat GPTに対抗心を燃やしていることはご存知だろうか?
2023年3月21日、ついにGoogleの最新AI「Bard」がリリースされた。そこで今回は、最新AIであるBard、その言語モデルの「LaMDA」、Chat GPTとの違いについて解説していく。
ライフスタイル誌から誕生した男の隠れ家デジタルが、知的好奇心をくすぐる情報を解説しよう。
■Googleが発表した最新AI「Bard」|沿革やリリース時期
2023年3月21日に、Googleは最新AIであるBardを一般公開した。ただし、提供が開始されたのはアメリカとイギリスのみで、現時点では日本で使用することはできない。
Googleは2月6日にBardを開発中だと発表。公式ブログに誤回答を掲載していたとして、ネットを中心に騒ぎになるが、なんとか3月21日にリリースした。
Bardの実際の利用画面は以下の通りである。Bardによる回答が検索窓のすぐ下に表示され、情報へのアクセスの短縮につながっている。
Bardの役割は「情報にアクセスするための障壁を減らすこと」と、Googleは語る。Bardの利用により、多くの人の生活がより便利に、生活の質がより向上するとのことだ。
もともとGoogleは、AIの開発方針を公平性・解釈可能性・プライバシー・安全性の4つに定め、人権問題などについて慎重に扱ってきた。今後はそれに加え、「唯一の正解がない質問への回答についても根拠に基づいた答え」を出せるよう、AI開発を進めていく方針だ。
■言語モデル「LaMDA」とは|Bardとの関係性
Googleは2021年1月、公式ブログでLaMDAを発表した。このLaMDAとは、「Language Model for Dialogue Applications」の略称であり、会話型の大規模言語モデルのことである。同年5月には、Google主催の会議でオープンソースとして提供されることが決定した。
この言語モデルをプログラムに積み込むことで、対話型AIを動かし、機械による自然な会話を実現できる。いわばLaMDAは、会話型AIの最も重要なエンジン的な役目を果たす。
このLaMDAと、先ほど解説したBardには深いつながりがある。というよりも、言語モデルであるLaMDAを採用し、より自然な会話を可能にした会話型AIがBardというサービスなのだ。
GoogleはLaMDAの開発において、品質・安全性・根拠の3点にこだわりを持っており、「現世代の言語モデルが間違った回答をもっともらしく回答する」という問題の解決に注力している。
なお、LaMDAのベースになっているのは、Googleが2017年に開発した「Transformer」というモデルである。LaMDAになってからは、「安全性」と「事実に基づく根拠」の2点が進化した。
■Google「Bard」とOpenAI「Chat GPT」の違い
Googleが開発した最新AIのBardと、いま話題沸騰中のChat GPTにはどのような違いがあるのだろうか?そもそも両者AIと、採用されている言語モデルとの関係性は以下の通りだ。
【Google】
対話型AI:Bard
言語モデル:LaMDA
【OpenAI】
対話型AI:Chat GPT
言語モデル:GPTシリーズ
GoogleのBard(LaMDA)は、自然な会話を行うことを得意としている。その一方で、OpenAIのChat GPT(GPTシリーズ)は、自然な文書を作成することに長けている。
またLaMDAを採用したBardは、複数のトピックにわたって会話をつなげることに重きが置かれており、そこに意思があるかのような自然な会話を展開することが可能だ。
■まとめ
本記事では、Googleが開発したBardやLaMDA、Chat GPTとの違いについて解説した。
AI技術の進歩は著しく、我々の生活にも影響を与え始めている。GoogleのBardは、日本ではまだリリースされていないが、今後はおそらく使用できる日が来るだろう。
OpenAIのChat GPTだけでなく、GoogleのBardやLaMDAにもぜひ注目してみてほしい。