【朝日新聞】
2023年4月1日
土曜日に授業をするか、休みにするか。公立小学校ではかつて、毎週授業をしていた。「ゆとり教育」の導入ですべて休みになった時代を経て「解禁」され、じわじわ復活している。ただ、授業数を増やすだけでは学力向上にはつながらないという指摘もある。(篠健一郎)
東京都内の49区市に、2021年度における小学校の土曜授業の実施状況を聞いたところ、月1回弱にあたる年10回程度かそれ以上としたのは港、大田、狛江、稲城など15区市。大半が午前授業で振り替え休日を設定しておらず、内容は平日と変わらないところが多かった。学校公開を原則としたり、外部講師を招いたりする自治体もあった。
実施理由は「授業時数確保」(中央)、「保護者や地域に開かれた学校づくり」(品川)、「授業時数の確保、学校公開や地域の教育力の活用」(北)、「学力向上」(足立)など、授業時間や学力の観点に加え、地域との連携を挙げた自治体が多かった。
ただ、回数が多かった自治体にも変化が見られる。
年10回だった足立区は教職員の働き方改革を目的に、23年度から8回に減らす。デジタル教材の活用や、行事などの内容を精査するなどして土曜出勤の負担軽減を図るとした。
年14回だった品川区は22年度から8回に減らした。一部の保護者から「土曜日の習い事に通わせたい」との声があったことや、教員が代休をとる日程調整の難しさなどが理由だ。
一方、目黒、三鷹、東大和の3区市は、振り替え休日のない土曜授業は実施していなかった。目黒区は、2学期制と夏休みの1週間程度の短縮で授業時間が確保できているとした。三鷹市も標準授業日の中で、教育課程内の教育を行うことができるためと回答した。
東大和市が理由に挙げたのは教員の働き方改革だ。市では、時間外勤務が過労死ラインとされる月80時間を超える教員をゼロとする目標を掲げた働き方の改善計画に取り組んでおり、「週末は休養をとることや家庭の時間としている」。授業時間は、夏休みを1週間短くするなどして確保できているという。
学習時間、学力にどう影響?
かつて、土曜日は午前授業が…