【共同通信社】
2023/04/03
【ロンドン共同】サウジアラビアは2日、5月から年末まで原油生産を自主的に日量50万バレル減らすと発表した。ロイター通信によると「石油輸出国機構(OPEC)プラス」の他の産油国も同調し、減産規模は合わせて日量約115万バレル。昨年11月から続けている協調減産とロシアが今年3月から始めた自主減産を加えると、減産規模は計約365万バレルとなる。
ロシアのウクライナ侵攻による原油高騰が一服し、金融機関を巡る信用不安の高まりで景気の先行きに不透明感が漂う中、相場の下支えを狙った。サウジのエネルギー省は声明で「石油市場の安定を支えるための予防的な措置だ」と表明した。
【bloomberg】
2023年4月2日
OPECプラス、サプライズ協調減産-5月から日量100万バレル超
Matthew Martin-
サウジ、日量50万バレルの減産を表明-クウェートやUAEも追随
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ロシア、6月までの減産を延長-7月以降世界で160万バレル供給減
石油輸出国機構(OPEC)と非加盟の主要産油国で構成する「OPECプラス」は2日、5月から日量100万バレルを上回る減産を実施すると発表した。市場の安定を維持するために供給を据え置くとこれまで約束していたため、協調減産は意表を突く格好。
最近は価格の変動が見られるものの、市場では今年後半には供給が逼迫(ひっぱく)すると見込まれていたため、著しい供給減となる。原油先物はこの日、取引されていないが、相場の反応は避けられないとみられる。世界中でインフレ圧力が強まり、中央銀行は高い政策金利をより長期にわたって維持することを強いられ、リセッション(景気後退)のリスクが高まる恐れがある。
サウジアラビアは日量50万バレルの供給削減を表明。クウェートやアラブ首長国連邦(UAE)、アルジェリアなども同様に減産を発表した。一方、ロシアは3-6月に実施する減産を年末まで続ける方針を示した。
これにより市場に供給される原油は、5月から従来想定よりも日量約110万バレル少なくなる。7月以降はロシアの減産延長で、従来想定よりも日量約160万バレル少なくなる。
国名 | 減産規模 (バレル/日量) |
---|---|
サウジアラビア | 50万 |
ロシア | 50万 |
イラク | 21万1000 |
UAE | 14万4000 |
クウェート | 12万8000 |
カザフスタン | 7万8000 |
アルジェリア | 4万8000 |
オマーン | 4万 |
原題:OPEC+ Makes Surprise 1 Million-Barrel Oil Production Cut (3)(抜粋)
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2023.4.3(K)
原油減産による価格変動がドル通貨で原油を取引している国々を直撃することになると思われます。
世界経済のバランスは2021年から変化してきており、分かりやすく言うと「ブロック経済化(経済の多極化/ドル信認の低下)」が進んでいるということだと考えられます。結果米ドルは国際決済通貨としてのポジションを徐々に削られつつあり(各国の米国債売り払い含め)世界中でダブつきつつあり、ダブついたドルが米国本国へ還流することでインフレを招いている側面があります。あわせて欧米諸国は一年以上前から続いているエネルギー不足によるインフレを抑制するための金融引き締め(金利上昇≒米国債価格下落)を米国中心に昨年2022年から推し進めています。保有米国債などその他債券価格の下落によりグローバル金融機関の財務体質が悪化し、世界的な経済混乱を招く恐れがあると懸念されていましたが、3月には欧州の名門グローバルバンキング(クレディスイス、UBS、ドイツ、バークレイズなど)の一角クレディスイスが破たんしUBSと合併しています。こうした一年以上前から始まっているエネルギー、金融・通貨問題については、すでに一国の政策で解決できる範疇を越えてきていると思われ、今後の国際政治経済の動向次第では世界が大きく変化する可能性もあります。
エネルギー・資源不足にあえいでいる欧州だけでなく、日本もその影響を受けて4月にも生活必需品、食品、エネルギーなど、円安と世界的なモノ不足による物価高騰が顕著で、こうした傾向はまだ続くだろうと言われています。
資源に乏しい輸入大国日本は「食品ロス」「資源エネルギー」に対して、一人ひとりが出来る可能な範囲で生活スタイルをシンプルにしていくことが大切だと感じます。2023.4.3(K)
(独り言)日本は継続してロシア産の原油を購入していますが、このことの影響でロシアへの制裁価格上限の60ドルを超える可能性も高くなります。仮に「設定した制裁価格を超えた場合、ロシアに制裁を表明している諸国(日本含む)は、ロシア産の原油をロシアから直接購入することはできなくなります。」という「建前」を政治的にどう対処するのかが注目されます。(細かな調査はしていませんが、ウラル原油はすでに60ドルを超えているのではないかという気もしないわけではありません。制裁価格を超えても購入している事実が判明した時は、制裁を主導した米国の威信低下を加速させることにつながります。)
最大の注目するべきポイントは、今回のサウジアラビア主導のオペック+の減産は、ロシア制裁に対する反旗でもあると同時にロシアへの大きな経済的な後方支援となり、サウジがこれまでのペトロダラーを背景とした世界を大きく変える舵を切ったと思われます。
2023.4.3(N)
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タッカー・スワンソン・マクニア・カールソン は、アメリカの保守派政治コメンテーター。2016年からFOXニュースの政治トーク番組『タッカー・カールソン・トゥナイト』で司会を務めている。 1990年代に新聞雑誌記者となり、『ウィークリー・スタンダード』誌などに記事を寄稿。 ウィキペディア
出生地: アメリカ合衆国 カリフォルニア州 サンフランシスコ
生年月日: 1969年5月16日 (年齢 53歳)
配偶者: スーザン・アンドリューズ (1991年から)
政党: 共和党
子女: バックリー・カールソン、 ホピー・カールソン、 リリー・カールソン、 ドロシー・カールソン
身長: 185 cm
【参考資料】】世界の基軸通貨の変遷図
(N)2023.3.30