【産経】
2023/6/23
神戸市は23日、対話型人工知能(AI)「チャットGPT」の業務への活用を試験的に始めた。市役所(同市中央区)では早速、職員がアイデア出しなどに利用。個人情報の利用禁止などを定めた市の試行用ガイドラインに基づき、約3カ月かけて活用方法や課題などを検討する。
市デジタル戦略部ではこの日の会議で、職員が「活用事例集の目次はどんなものがいい?」などと尋ねて回答を得た。同部の箱丸智史課長は「もう一人のアイデアマンが来たような感じがする」。他の職員も「議論に行き詰まったときや、ブレーンストーミングにも使える」と話していた。
市によると、幹部を含む職員112人が利用。情報の漏洩(ろうえい)や捏造(ねつぞう)のリスクを低減させるため、入力したデータが学習に使われない環境を整備しており、対象職員のアカウントのみで使用できる。職員が発見した気づきや失敗例などは随時共有を促す。
ガイドラインでは、個人情報などの入力を禁止したほか、あくまで補助的なツールとして使い、判断の責任は職員にあること、著作権侵害などがないように事実確認や調査をすることなどを定めた。他の自治体の参考となるようガイドラインは公開とした。
久元喜造市長は22日の定例記者会見で、市民へのメリットについて「行政サービスを向上させるとともに、政策の企画立案では短期間でレベルの高いものを提供できるようになる期待もある」と言及。本格的な導入の時期は「できれば来年早々から踏み出したい」と意欲を示した。
チャットGPTを業務活用へ 神戸市、利用ルール条例成立 全国初