【huffingtonpost】
2023年06月16日
サボってしまう自分をどう律するか。イチローさんの対処法には“ならでは“の考えがありました。【2023年上半期回顧】
2023年上半期にハフポスト日本版で反響の大きかった記事をご紹介しています。(初出:1月19日)
マリナーズ球団会長付特別補佐兼インストラクターのイチローさんが1月18日、オリックスグループの公式インスタグラムで自身初のインスタライブを実施した。
「悩める大人の相談ライブ『イチ問一答』」と題して、事前に寄せられた質問に対し自らの考えを交えて回答した。質問はキャリアや恋愛・結婚、人間関係まで多岐にわたっていた。
コロナ禍で普及した「在宅勤務」に関する考え方にも反響が広がった。現役を引退してもなお、トレーニングに勤しむイチローさん。
だが、自身も「人はサボります。僕もサボる」とした上で、そんな状況をどう打開するか、アドバイスを送っていた。伝えていた話は視点が深く、参考になるものだった。
「在宅勤務でサボってしまう」。イチローさんの考えは?
2019年3月に東京ドームで行われた試合を最後に現役を引退したイチローさん。
引退後は長らくプレーをしたメジャーリーグのシアトル・マリナーズで役職付きのインストラクターを務め、チームの後輩選手にアドバイスを伝える一方、日本の学生野球にも積極的に関わり、高校生の指導も行っている。
イチローさんは開口一番、「インスタライブってこんな緊張感あるのかってびっくりしてます。沢山ご質問いただきありがとうございます」と感謝を伝えた上で「僕なりの視点で一問ずつ丁寧にお答えしていきたいと思います」とした。
1つ目の質問は「働き方」に関するものだった。質問は「(コロナ禍で)在宅勤務が増えました。“サボらないメンタル”を保つには、どうすればいいか」というものだった。
これに対し、イチロー氏は「人が見てないからね、サボるっしょ」とバッサリ回答。
「人はサボる。だけど、『サボってはいけない』って感触を持ってらっしゃるのがすごくいいと思います」と“サボること”自体を否定することはなかった。
続けて、「自分が負けてしまう、手を抜いてしまうということなので、捉えようによっては『それこそがその人だ』っていうことも言える。人が見てないところの姿が、まさしく、その人を表しているとも言えるでしょう」と言葉を紡いだ。
でも「自分を客観的に冷静に見られるかって24時間、それは無理」ともした。
「僕もサボる」。そんな時、どうする?アドバイスが粋だった
司会からイチローさんも「サボりますか?」と問われると、「サボりますよ」と即答。「人間らしいじゃないですか。そういう弱さって」と答えた。
一方、プロのアスリートとして偉大な記録を打ち立ててきたイチローさん。そんなハイパフォーマンスを見せてきた野球に対しては、少々異なるようだ。
「野球においては後悔したくない。野球においてはプロになってからサボった記憶はなかなか、出てこない」と振り返り、「それ以外のところではサボってばかりですよね」と笑って答えていた。
サボってしまう自分をどう律するか。イチローさんの対処法には“ならでは”の考えがあった。
「自分が(サボりたくないけど)こうしたくないけど、(サボっちゃっているな)こうしちゃってるなって感じた時には、自分が大切にしている人、尊敬している人を思い浮かべて、“この人なら、今の自分の行動をなんて言うだろう?”って視点を持っておくと、自分の行動を厳しい方向に持っていくことができますね」と回答した。
イチロー選手が現役時代に積み重ねた安打記録は、日本とメジャー合わせて4367本。これだけの数字を積み重ねたからこそ、言葉には説得力があった。