【中国新聞】
2023/11/01
広島県福山市は、倒木の恐れがある市管理の公園の樹木計114本を本年度中に伐採する方針を決めた。5月に樹木が倒れてブランコが破損した事案を受けて緊急点検し、対応が必要な樹木を洗い出した。伐採しない残りの樹木については定期点検などに取り組み、再発防止を図る。
市によると、倒木が起きた直後の5月15日から約1カ月かけ、市が管理する公園706カ所の樹木計約1万5800本を点検した。高さ3メートルを超える樹木を対象に、市職員が目視で幹や根元に空洞がないかなどの異常の有無を調べた。
この結果、倒木の危険性の高い9本を既に伐採した。他に異常が確認された603本については樹木医による写真分析を踏まえ、春日池公園(春日町)や緑町公園(緑町)などの公園68カ所の計105本を伐採することにした。
異常があった残りの樹木のうち、16本は音響波で内部の空洞や腐朽を確認する精密診断を本年度中に終える。482本は毎年の点検で経過を観察する。異常が見つからなかった約1万5200本も3年ごとに目視で点検する。
公園の樹木を巡っては、5月に向陽第4公園で倒木が確認され、ブランコが破損した。10月31日の記者会見で点検結果などを説明した枝広直幹市長は「もう少しきめ細かくチェックするべきだった。今後は住民に心配、迷惑をかけないよう緻密に対応する」と述べた。
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