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2024年03月20日
通信大手が生成人工知能(AI)関連サービスを相次ぎ強化する。KDDIは18日、東京大学発のスタートアップで生成AI基盤を手がけるELYZA(イライザ、東京都文京区)を連結子会社化すると発表した。ソフトバンクは同日、日本マイクロソフトと生成AIによるコールセンター業務の自動化で共同研究を始めると発表した。海外大手の生成AIモデルでは解決しにくい日本語に最適化した業界特化型の大規模言語モデル(LLM)で商機を見いだす。
KDDI 東大発VB子会社化
4月1日をめどにKDDIが43・4%、KDDIデジタルダイバージェンスホールディングス(HD、東京都港区)が10%のイライザ株を取得する。取得額は数十億円規模。
KDDIが中期的に1000億円規模を投じて強化する計算基盤とイライザのLLMを融合し、オープンモデルを活用した日本語の汎用LLMの開発を加速する。高性能な日本語LLMは2024年春から応用プログラムインターフェース(API)サービスとして提供する。
各企業や業界に特化した領域特化型LLMも開発する。第1弾としてアルティウスリンク(東京都新宿区)と連携し、コンタクトセンター特化型のLLMの実装を目指す。
ソフトバンク 日本MSと連携
ソフトバンクは7月以降、日本マイクロソフトの生成AIサービス「アジュール・オープンAIサービス」を基に開発したシステムを自社のコールセンターに順次導入する。LLMが顧客の問い合わせ内容を判断して案内を行ったり情報を収集したりして、最適な回答を導き出す。
NTTも独自LLM「tsuzumi(ツヅミ)」を用いてコールセンターの通話要約機能を高度化するシステムを開発している。まずは日本語解析能力が求められるコールセンター向けで通信各社が火花を散らす。