【gendai】
2024.02.23
一部の人間に富が集中する経済のあり方が批判されている。特にコロナ禍以降は人々の意識にも変化に兆しがあるという。経済アナリストの森永卓郎氏と、東京大学大学院教授の鈴木宣弘氏の対談書『国民は知らない「食料危機」と「財務省」の不適切な関係』(講談社+α新書)から一部を抜粋・再編集してお届けする。
連載第3回後編
前編【資本主義の崩壊で日本でも「イモのつる」ばかり食べる時代がこれからやってくる…】より続く。
若い世代の価値観が変わった
森永 大変革は3つの軸で起きると思います。すなわち、「大規模から小規模へ」「グローバルからローカルへ」「中央集権から分権へ」の3つ。
日本はずっと中央集権でしたが、次の時代は分権化の動きが進むだろうと思います。
コロナ禍によって、「何か違うぞ」と気づく人が爆発的に増えた。とくに若い世代にそういう人が多い。
有楽町に「ふるさと回帰支援センター」という施設がありますが、コロナ禍で相談件数が爆発的に増えたそうです。しかも、これまでは「郊外に出たい」という相談が多かったのに、コロナ禍以降は「もっと田舎らしい田舎に行きたい」という人が増えたと。
田舎に移住するのも、私みたいな年寄りだと、なかなか地域社会に溶け込めなくて大変だったりします。でも若者なら大丈夫です。だから若い人の間で田舎に移住する動きが目立っている。
私は大学でゼミを持っているんですが、若い世代の価値観がものすごく変わったと感じます。