「生誕110年 木下夕爾 詩と俳句」
木下夕爾(詩人・俳人)は、1914年(大正3年)10月27日に、現在の福山市御幸町上岩成に生まれており、2024年(令和6年)は生誕110年という節目の年にあたります。
写真の資料は、木下夕爾が詩を書き始めた府中中学時代に作成したと思われる手書きの詩集「青き月日」です。ノートに手書きの文字できれいに清書され、自筆の挿絵も入っていて、詩集としての体裁をなしたものとなっています。木下夕爾の最初の詩集ともいえるこの中学生時代の詩集には、七十数編の詩と短歌・俳句などが収録されており、いかに夕爾が中学時代に詩に熱中していたかがうかがえる資料です。中学時代の夕爾は、校友会誌に詩や短歌を発表し、五年次には、級友たちと詩歌集『白煙街詩脈』を刊行しています。また、文芸誌『若草』や『愛誦』などに詩や短歌などの投稿をはじめ、入選作として掲載されるようになり、投稿詩人の間では全国的にも知られた存在となっていきました。これらの中学時代の作品は、木下夕爾の詩の出発点を知り得る貴重な資料です。
この「青き月日」は、木下夕爾のご遺族から、新たに寄贈をいただいた資料であり、本展において新資料として展示し、紹介します。
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