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車で高速道路を走っている際、「トイレに行きたいけれど、次のサービスエリアまでかなり距離がある……」「ちょっとだけ下道に下りてどこかに立ち寄ったら追加でお金がかかるんだろうか?」と疑問に思ったことがある人も多いのではないでしょうか。この質問への回答には「ETC」が大きく関係します。
今や高速道路を利用する際に、なくてはならない存在になったETC。従来は高速道路料金の決済のみに利用できるサービスでしたが、現在では進化した「ETC2.0」のサービスが登場しています。
ETC2.0で利用できるサービスは数多くありますが、中でも注目したいのは「条件を満たして2時間以内に高速道路に戻れば一度退出しても追加料金が発生しない」ことです。
本記事では、ETC2.0の概要や機能性、ETC2.0対応の車載機を載せた車で利用できる社会実験「賢い料金」について解説します。
ETC2.0とは
ETC2.0とは、2016年からスタートした新たなETCのシステムで、ETCの通信機能を拡張したものです。それまでのETCが単なる料金収受のシステムでしかなかったのに対し、ETC2.0はさまざまな機能を持ち、ユーザーにとってのメリットも多くあります。
ETC2.0では、全国の高速道路の約1800箇所に設置された通信アンテナETC2.0路側機とETC2.0対応車載機、カーナビが、DSRC通信方式で双方向通信することで、従来のETCでは実現できなかったサービスが可能となりました。
例えば、リアルタイムの渋滞情報を分析・解析して最適なルートを案内してくれたり、災害発生時に通行可能なルートを示してくれたりなど、ユーザーが受けられるサービスの内容は多種多様です。
ETC2.0のサービスを利用するためには、ETC2.0に対応した専用の車載機とETCカードが必要です。
ETC2.0限定の一時退出「賢い料金」の社会実験とは
ETC2.0に対応した車載機を持っている人は、現在実施中の社会実験「賢い料金」を利用できます。
「賢い料金」とは、高速道路の一時退出を可能にする新たな社会実験のことです。日本の高速道路には、休憩施設同士の間隔がおおむね25km以上離れている空白区間が約100区間存在します。
そのような区間を走行中、「休憩したいけれど次のサービスエリア・パーキングエリアまで遠すぎる……」という状況に陥ると、高速道路の料金所を出て、一般道路に下りて休憩を取る必要がありました。このようなケースの場合、従来のETCでは、1度出る時に料金が精算され、再度入ったときに新たに料金がかかってしまっていました。
「賢い料金」では、「指定された道の駅に立ち寄るための途中退出」であることなど、一定の条件を満たすことで再入場の料金がかからないようになっています。次の休憩施設までの距離が離れている区間を走行中に、代替施設として一般道路にある道の駅を利用できるため、ドライバーの安心や高速道路沿線の活性化につながっています。
なお、「賢い料金」のサービスを利用するには、次の条件を満たすことが必要です。
(1)ETC2.0車載器を搭載した車であること
(2)対象のインターチェンジもしくはスマートインターチェンジでの乗り直しかつ順方向の利用であること
(3)対象の道の駅に必ず立ち寄ること
(4)対象のインターチェンジまたはスマートインターチェンジから退出後、2時間以内に同一のインターチェンジから再進入すること
「賢い料金」は、単なるETC車載機ではなく、「ETC2.0に対応した車載機」を搭載している必要があります。また、あくまでも「途中下車して再出発」するためのサービスであるため、1度高速道路を出てから道の駅を利用して再進入する際に逆方向に向かうと追加料金なしにならないので注意が必要です。
対象の道の駅を利用する際は、国道側から道の駅に進入する、利用後は2時間以内に同一のインターチェンジから高速道路に戻るなどの条件があるため、「賢い料金」を利用する前に事前に確認しておきましょう。
まとめ
「賢い料金」の取り組みでは、ETC2.0に対応した車載機を搭載した車で利用することや、退出後に道の駅に立ち寄ってから再度高速道路に進入するなどの条件を満たせば、追加料金を支払う必要がありません。
そのほかにも、交通情報などをリアルタイム通知してくれたり、一部区間で料金が割引になったりするなど、ETC2.0にはさまざまなメリットがあります。自身の車に搭載された車載機がETC2.0対応であれば、魅力的なサービスをぜひ利用してみてください。
出典
一般財団法人ITSサービス高度化機構 ETC総合情報ポータルサイト ETC2.0について
一般財団法人ITSサービス高度化機構 ETC総合情報ポータルサイト 一時退出・再進入
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー