元広島・小窪 オファー待つ 自由契約から2カ月「可能性少しでもあるなら」
他球団からのオファーを待ち練習を続ける小窪
昨季限りで広島を退団した小窪哲也内野手(35)が21日、期限を決めず他球団からの獲得オファーを待つと明かした。自由契約となり約2カ月。今オフは福山市内でトレーニングを継続してきた。体は例年になく動き、状態は万全。その日が来る事を信じて、汗を流し続ける。 青空に吸い込まれそうな力強い打球に、状態の良さがうかがえる。体は万全でトレーニングも順調だ。広島を退団し約2カ月が経過。他球団からの獲得オファーは届いていない。それでも小窪は期限を定めず、前だけを見据えて準備を進めている。 「まだ何もないんです。不安には、もちろんなります。でも自分で決めた道だから。できる可能性が少しでもあるなら、やりたいと思っています」 1日約6時間の練習。午前中は筋力トレや守備練習などをし、午後からは打撃練習だ。ティー打撃に始まりロングティー、フリー打撃とみっちり打ち込むのが日課だ。 「グッドコンディション」と言い切った。以前に痛みがあった右肘に不安はなく、スローイングは安定しバットも力強く振れる。自主トレには、11年までカープに在籍していた鈴川卓也トレーナーが同行している。長年、小窪を見続けているだけにコンディションの違いは一目瞭然。同トレーナーは「痛い箇所がない。体はすごく良い」と目を細めた。 昨年9月下旬に球団と最初の話し合いの場を持った。技術力に加え人間性や人望の厚さなどを評価され、指導者への転身を打診された。悩んだ。それでも現役への思いは断ち切れず、最後は「(現役への思いがある状況で指導者を)やるものではない。中途半端ではいけない」と決断。自由契約となり、移籍先を探す道を選んだ。 各球団は2月1日からのキャンプを消化しながら現有戦力を判断し補強ポイントを模索していく事もある。昨年、ロッテが阪神を自由契約となった鳥谷の獲得を発表したのは3月上旬だった。 さらに今年は新型コロナウイルス感染拡大を受けて球春を迎えるだけに、例年とは情勢が異なる。政府は緊急事態宣言を発令、各球団の新規外国人の入国メドも立っていない。「練習生でも育成でもどんな条件でもチャンスを頂けるなら」と可能性にかけている。 「今、僕にできることは、声がかかったときに良い状態で入っていけるようにすること」。小窪は打ち返す白球に思いを込めている。