来春開校予定の義務教育学校、「想青学園」の校歌を制作していただくロックバンド「T-BOLAN」のボーカルリスト、森友嵐士さんが行っておられる活動が紹介されています。
発声障害克服の「T―BOLAN」森友嵐士さん、感染終息願う灯火を全国に
根本中堂で営まれた法要に臨む森友さん(大津市で)
天台宗祖・最澄(伝教大師)の精神を伝えようと、ロックバンド「T―BOLAN」ボーカルの森友嵐士(あらし)さん(55)が、平和やコロナ禍の終息を願う灯火(ともしび)を全国に届ける活動を続けている。6日夜には大津市の比叡山延暦寺で活動を奉告する法要に臨み、インターネットを通じて最澄の言葉や歌を発信した。(渡辺征庸)
1990年代から第一線で活躍してきた森友さんは、95年に心因性発声障害で一時、歌えなくなったが、富士山麓の自然に癒やされて2009年に音楽活動を再開。縁あって比叡山の自然や最澄の「一隅を照らす」などの教えにひかれ、13年から延暦寺の親善大使を務めている。
今回の活動は、最澄1200年大遠忌(おんき)を控えた昨年春、「皆の幸せを願った大師の精神を広めたい」と自ら発案。約1200年前に最澄がともしたとされ、根本中堂で守り伝えられてきた「不滅の法灯」の代わりに、世界平和などを祈願したろうそくを各地へ持参し、ともすことにした。
昨年6月に沖縄県から始めて以降、45都府県に赴いて現地の寺院などで献灯。自然災害からの復興やコロナ禍の終息も祈ってきた。終盤を迎えた状況を最澄に伝えようと、6日夜に法要に臨んだ。
ファンら約2500人がネットで視聴する中、森友さんは、「明(あき)らけく後の仏の御世(みよ)までも 光りつたへよ法(のり)のともしび」と最澄が法灯に託した思いや、各地で感じたことをエッセーにして朗読。大遠忌のために作った曲も歌った。
コロナ禍など様々な事情で苦しむ人々を念頭に「心にも休息といたわりの時間を与えてあげよう」と呼びかけ、「1200年続く祈りが全ての人に届き、穏やかな日々を迎えられますように」とも願った。
残る長崎県を今月中に訪れ、最後の北海道には6月4日の最澄の命日までに届けるつもりだ。森友さんは「伝教大師の言葉や私の歌で一人でも前を向き、生きる力にしてくれたらうれしい。最後まで頑張って届ける」と笑顔を見せた。