2021年8月1日更新
呉昌碩「臨石鼓文」
中国の清時代末期から中華民国にかけて活躍した芸術家に呉昌碩(1844~1927)がいます。清代最後の文人と言われ,詩・書・画・篆刻のいずれの分野にも長けて,「四絶」と称賛され,わが国にも多くのファンがいます。特に「石鼓文」の研究に熱心で,臨書を通して独自の作風を開拓しました。臨書作品でありながら,強靭な線で書かれ,運筆や字形のとらえ方は創意に満ちています。
呉昌碩「臨石鼓文幅」
〔石鼓文とは〕
石鼓文は,現存最古の石刻文字で,鼓形の石の周囲に文字が刻されていることからこの名があります。石は全部で十鼓あり,唐代初期に,現在の陝西省陳倉と呼ばれる原野で発見されました。長い年月の間,多くの戦禍をくぐりぬけて,現在は北京の故宮博物院に蔵されています。
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