2022年2月1日更新
新春企画展「雛祭」
新春企画展「雛祭」 江戸末期の七段飾り
鞆の浦は瀬戸内海の中央に位置し,江戸時代には北前船の寄港地として栄えた商港である。その商家に伝わる江戸末期の七段飾りは,人形の数が少なく,さまざまな嫁入り道具を中心とした雛飾りである。
この道具には,巧みな牡丹唐草模様の蒔絵を施し,金銀の飾り金具をつけたもので,約百四十点の道具がそろった超豪華版である。道具にはタンス,長持ちをはじめ,お膳や茶道具など衣食住の道具がそろう。お籠の中には菊や松竹梅が雅に描かれ
貝合わせの貝にはアサリが使われ,実に細密で小さな絵が描かれている。また,将棋や双六盤,碁盤には駒やサイコロ,碁石が納められていて,忠実につくられている。人形は男雛と女雛が御簾で仕切られた御殿に座り,三人官女,三人の仕丁(護衛)が並ぶ。仕丁の顔は力強く,表情も豊かでユーモアにあふれている。この見事な七段飾りは,江戸時代の商家の隆盛振りを如実に伝えてくれる。(同展は3月21日(月・祝)まで開催しています。)
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鞆の浦歴史民俗資料館
Tel:084-982-1121
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