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【JA】プラ製食品トレーの完全循環型リサイクルへ エフピコと協業開始 DIC/2022年8月8日

【JA】

DIC株式会社(東京都中央区)と株式会社エフピコ(広島県福山市)は、プラスチック製食品トレーの完全循環型リサイクルに向け、食品トレーの原料であるポリスチレン(PS)について、世界初の溶解分離リサイクル技術を用いた協業を開始。2023年の社会実装をめざす。

両社は2020年11月、ポリスチレンの完全循環型リサイクルの取り組みの開始を発表し、保有する技術と回収・リサイクル体制を最大限に活用する新たなモデル構想を打ち出した。この取り組みでは、ケミカルリサイクル技術を用いてポリスチレンの原料であるスチレンモノマーに還元する完全循環型リサイクルの実現をめざしている。

エフピコグループは、「トレーtoトレー」のリサイクルを掲げ、スーパーマーケットなどに設置された約1万の回収拠点から、使用済み食品トレーなどを回収し再利用している。食品トレーは、用途に応じて白色と色柄付きの発泡トレーがあり、一般家庭から排出される使用済みの白色発泡トレーは、再び食品トレーにリサイクルされている。一方、色柄付き発泡トレーは、リサイクルした際に再生ペレットが黒色になってしまうため、食品トレーへ再利用する際の使いみちが限られ、ハンガーなど別の日用雑貨品に再生利用されている。

この課題解決に向け、DICは色柄付き発泡トレーの新たな溶解分離リサイクル技術(Dic法:Deinking chemical process)を開発した。同技術は、DICが印刷インキ事業で培った技術や樹脂設計の知見を活用し、黒色の再生ペレットから着色成分を除去。ポリスチレン生産プラントに投入する方法で、色柄付き発泡トレーについても従来の白色のエコトレーと同様に「トレーtoトレー」のリサイクルが可能になる。

現在、Dic法に関する工業的な検証をDIC四日市工場で進めており、2023年には色柄付き発泡トレーなどの市場回収品のリサイクルを開始。並行して進めているケミカルリサイクルとのハイブリッド化をめざす。

DICグループは、長期経営計画「DIC Vision 2030」において、持続可能な社会実現のための重要施策として、サーキュラーエコノミーへの対応をサステナビリティ戦略として掲げている。今後、同社の注力市場である食品パッケージ用途において、顧客やサプライヤーと協同しサプライチェーン全体で循環型社会の実現をめざす。

また、エフピコグループは、製造業としての基本3本柱である「もっとも高品質で環境に配慮した製品を」「どこよりも競争力のある価格で」「必要なときに確実にお届けする」を実践。調達・開発・製造・物流・リサイクルのバリューチェーンを通じた環境負荷低減の取り組みを進めており、循環型でサステナブルな社会の実現をめざす。


 

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