福山市議会議員 岡崎まさずみ

　 できるだけ多くの命を救うために，救急車は日々出動し，患者を医療機関へ搬送していますが，救急出動の約半数（43.6％　2019年度）が，入院を必要としない「軽症」の事案となっています。

救急車は，緊急に医療機関へ搬送しなければならない病気やけがの場合に利用するためのものです。安易な利用が増えると，受け入れ先の医療機関の負担になり，一刻を争う重症患者などへの対応が遅れてしまうおそれがあります。救急車の適正利用を心掛け，地域医療を守りましょう。

こんな理由で救急車を呼んでいませんか？

　緊急性が無い救急要請が増えると，遠くの消防署から救急車が出場することになり，現場への到着時間が遅れ，助かる命が助からなくなるかもしれません。
医療資源には限りがあります。大切な家族や友人の命を守るために，救急車の適正利用を心がけましょう。
症状に緊急性が無く，自力で病院を受診できる場合は，救急車以外の交通機関を利用しましょう。ただし傷病者の様子や事故の状況から，急いで病院へ連れて行った方が良いと判断した場合は，もちろん迷わず１１９番通報をしてください。

救急医療の現場は・・・

新型コロナウイルス感染症患者の対応を行っている医療機関では，長期的な対応となっており，救急患者の対応も重なることで，負担が大きくなってきています。

また，救急病院の時間外受診の状況は，約8割（76.7% 2021年度)が，入院を要しない「軽症」の事案となっています。軽症の患者さんの受診が増加すると，重症患者さんへの治療に支障をきたす恐れがあります。

救急医療機関は、緊急性の高い患者さんを受け入れるためのものです。休日や夜間に受診しようとする際は，平日の時間内に受診することができないのか，もう一度考えてみましょう。

医療機関の適正受診について

ここまで記載したように，安易な救急車の利用や，緊急性の無い休日・夜間の受診が増えると，本当に必要な人が医療を受けられなかったり，医療機関の負担にもにつながります。さらに，医師の働き方改革が２０２４年度から始まることに伴い，医師の勤務時間管理が厳格に行われることになります。そのため，安易な救急車の利用や，緊急性の無い休日・夜間の受診は，ますます医療機関の負担につながります。

安心安全な医療サービスを受けるためには，不要な受診を避け，診療時間内に受診しましょう。一方で，過度な受診控えは健康上のリスクを高めてしまう可能性があります。

一人一人ができる対策は，「かかりつけ医」を持つことです。「かかりつけ医」とは，なんでも相談でき，必要なときには専門の医師や医療機関を紹介してくれる「身近で頼りになるお医者さん」です。（かかりつけ医についてはこちら（市ホームページへリンクしています））

普段からかかりつけ医の先生に，どういう症状の場合に，休日や夜間に受診をすべきか普段の状況を踏まえ，あらかじめ相談しておくことが安心につながります。かかりつけ医の先生との相談を踏まえて，適正受診を心がけましょう。

厚生労働省も適正受診を推奨しています。新型コロナウイルス対策を踏まえた，適切な医療機関の受診（上手な医療機関のかかり方）について，ホームページを作成していますので，確認をお願いします。（ホームページはこちら（厚生労働省ホームページへリンクしています））

便利なアプリ・Ｗｅｂサイトなど

　それでも，急な体調不良などで，受診した方がよいのか，判断に迷う場合もあります。そのため，救急病院の受診にあたって，スマートフォンに入れておくと便利なアプリや，Webサイトなどを紹介します。

●電話連絡先・Ｗｅｂサイトなど

●アプリ

初期救急医療

本市では，医師会などの協力で夜間診療所や休日当番医などの初期救急医療体制を整えており，急病やけがなどに対して応急的な診療を行っています。
日頃から緊急時の受診先情報を収集しておくと役立ちます。

●休日診療医療機関

●休日歯科医療機関

●福山夜間小児診療所

●福山夜間成人診療所

※かかりつけ医について

二次救急医療（初期救急医療機関で対応できない場合）

急病時などに対応が可能な医師や施設，設備を有する医療機関として救急告示医療機関があります。
ただし，診療時間外は，原則として救急車による搬送の対応を行っていますので，直接受診する場合は，診察が可能かどうかを事前に電話で確認してください。
医療機関によって，軽症の場合に時間外選定療養費等を徴収される場合があります。

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