2022.11.30
2022年世界的なインフレが今も続いていますが、【advisor】発信のマッピングで見る限りロシアにエネルギーを依存している欧州はその影響が大きいことがわかります。これはウクライナにおける紛争にEUが大きく関与しているためのロシアからの報復と考えていいでしょう。しかし、その紛争に大きく関与している米国は自国の資源が豊富なため直接的な影響下に無いように見えますが、米国では猛烈なインフレが起きていることは何らかの影響を受けている証拠でもあります。
日本は今年に入りロシアから天然ガスの購入を3倍近くに増やしています。注目したいのは、その価格は(千トンあたり)1億円ほどですがこの価格は中東諸国から輸入している6割程度の優遇価格です。過去現在においてもこうした優遇価格が続いているその背景には、ロシアでの日本大手総合商社のエネルギー開発に大きく影響を受けていからだと考えられます。資源に乏しい日本は表向きロシアに対して米国と歩調を合わせた強固なスタイルをとりつつも、ロシアと協調するべきところはしっかりとしていくことがとても大事です。それはアジア諸国、特に中国に対しても同様だと考えます。
これから本格的な冬を迎える欧州では、エネルギーに関して政治的な解決の糸口を見つけなければ経済活動自体が縮小せざる得ないと考えます。特にウクライナのエネルギーインフラ(原発)へのロシアからの局所的な原発の配電装置への攻撃によって暖房が使えない、水が使えない劣悪な衛生環境とあわせインターネット通信が遮断された情報難民となりつつあるようです(欧州全体の夜間衛星写真からもその実態が分かります)。ウクライナの人達はこれまで旧ソビエト時代に作られた原子力発電所の豊富な発電力によって、零下の環境でも家の中では薄着で生活するスタイルが印象的でしたが、これからの厳冬を迎えるウクライナはロシアとの協議を含め、EU諸国とその支援を全面的に行ってきた英米が、この事態に対し明確に政治的な対処をしなければ解決の糸口は見つからないと考えます。この問題を「ロシア悪い、ウクライナ可哀そう」という図式の「他人事」にしている段階ではもうないということです。
日本においても、この状態が続くならエネルギーのみならず食料その他商品価格が高騰する影響を、今後さらに大きく受けると考えます。
資源に乏しい日本に住む市民一人ひとりが今出来ることは、資源を大切に使う習慣を再確認する必要があると思います。
電気、ガス、水道はこまめに使い無駄に使わない、食料は必要な量だけ作り食べて残さず残ったら保存しておく、安全のためにも車は急発進急ブレーキはしない、「3R」含め、日常の中に潜む「ムリ・ムダ・ムラ」を一人ひとりが可能な範囲でなくしていくことで大きな力になると思います。(N)
【advisor】
2022 年 11 月 17 日
1 分でわかる市場
マッピング: 2022 年の国別世界エネルギー価格
使用方法:側面の矢印は、各タイプのエネルギー間を移動します。