内海町に移住後、イベント企画や移住支援をする中尾さん。
福山市まちづくりサポートセンター センター長、ひろしま移住定住コーディネーター等、多方面で活躍されています。
【広島県】
住人が齢をとっても歩いて暮らせる地域であってほしい
福山市まちづくりサポートセンター長/港の編集室 /
ひろしま移住定住コーディネーター
中尾圭 さん
2022年11月25日
「ここでなら生きていけそう」瀬戸内の小島に居を構える
福山市まちづくりサポートセンター センター長、ひろしま移住定住コーディネーター等、様々な肩書を持ちながら広島で活動する中尾さんは千葉県出身です。大学卒業後コミュニティデザインを生業とする街づくり会社に入社後、その会社が受託した『瀬戸内しまのわ2014』の観光支援事業で広島に赴任しました。忠海~大崎上島~とびしま海道~倉橋島を中心に、広島の島しょ部や沿岸部を飛び回るうち気付けば広島に愛着を抱いていたといいます。
「地元の人たちと仲良くなってミカンをもらったり、空き部屋に泊まっていいよって言ってもらったり。そういう明るさに救われて、もしピンチになっても広島なら生きていけそうって思えたんです」。そして福山市内海町出身の守岐さんと結婚、人口千人弱の横島に居を構えました。中尾さんの活動に対する心境に変化が訪れたのは、漁業がメインの瀬戸内海の小島での生活を始めてからだそうです。
「最初は地域で活動する人を見て、『私も何かやってみたい!』と思ってたんです。だけどだんだん自分は地域の人がやりたいことを応援する方が向いてると気付いて。そこからは移住希望者のアテンドをしたり、イベントを立ち上げたり。内海も最初は寂しい島に思えたけど、実際住んでる人に会うと頑張ろうとしてる世代の近い人もいて、いろいろできそうだなって気持ちが膨らんできました」。
ガイド本を編集しイベントを企画、地域の「やりたい」を支える
プレーヤーではなくサポーターとして生きていくことを決めた中尾さん。そこからは内海町の魅力をまとめたガイド本『内海手帖』を編集し、漁師と友達になるイベント『内海フィッシャーマンズフェスト』を企画しました。今年4月には「福山市まちづくりサポートセンター」のセンター長に就任するなど、中尾さんのサポートの幅はさらなる拡がりを見せています。
「将来は…住人が齢をとっても歩いて暮らせる地域であってほしいんです。だから私は島の人の得意分野を活かせる場として、おばちゃんと総菜屋をやったり、この自宅を時々開放して喫茶店のようにしたりもしたい。地域は自分が生きたいように生きられる場所であってほしいと思います」。
行動を起こす人がいれば、中尾さんのようにそれに寄り添い支える人がいます。広島の心優しき伴走者は今日も夕暮れの軒先で井戸端会議を楽しんでいます。
中尾圭(なかおけい) さん
福山市まちづくりサポートセンター長/港の編集室 /
ひろしま移住定住コーディネーター
千葉県佐倉市出身。大学卒業後、コミュニティデザインを生業とするまちづくり会社に参画。2013年以降「瀬戸内しまのわ2014」等広島県内のイベントに携わった後に、広島のつながりを大切にしたいという思いから、2016年~2019年に福山市地域おこし協力隊に就任し、内海町に移住。2022年より福山市まちづくりサポートセンター勤務。主宰する「港の編集室」では執筆等も行っており、内海町の写真を使ったカレンダーは、夫婦で営む新聞販売店のノベルティに。「多少変わっててもその人らしく生きていける」内海町の雰囲気が好きだという。