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【神戸新聞】「ウッドショック」から一転、価格急落 40年ぶりの好機に体制強化も在庫が…苦悩する北はりま森林組合/2022/11/26

【神戸新聞】

2022/11/26

世界的な「ウッドショック」で高騰していた国内の木材価格が下落に転じ、兵庫県・北播磨地域の森林を管理する北はりま森林組合(同県多可町)が対応に苦慮している。同組合では、2020年ごろから始まった相場上昇を好機と捉えて出荷体制を強化したが、今年夏以降、荷動きが鈍化。山から切り出した木材が滞留する事態になっている。同組合の藤田和則参事は「価格上昇を受け、大手住宅メーカーを中心に国産材を敬遠する動きが広がった」と分析する。(伊田雄馬)

同組合は北播磨3市1町の森林管理を受託し、土地の所有者から依頼を受けて樹木の伐採による山の管理を行っている。

1980年ごろを境に木材価格は低迷したため、近年までの最低限の間引きにとどめていたが、2020年ごろから世界的に木材価格が高騰した。新型コロナウイルスやロシアによるウクライナ侵攻などが影響したとみられ、同組合が扱うヒノキの1立方メートル価格は以前の倍となる2万8千円近くに到達。スギの価格も2万5千円まで上昇した。

約40年ぶりの価格上昇を受け、市場への出荷を希望する山林の所有者が増加。組合は「環境整備につなげるチャンス」と、新たな職人の雇用や出荷能力を高める設備投資を実施した。だが、今年7月ごろから木材価格は徐々に下落。ヒノキは1立方メートル1万3千円、スギは1万円に落ち込み、いずれもウッドショック前の水準まで下降した。藤田参事によると、海外からの輸入量が回復し、過剰在庫となったことで市場全体での荷動きが鈍ったという。

多可町加美区豊部の同組合事務所前には、山から切り出された木材が滞っている。組合では相場の下落を山林の所有者に伝え、「出荷しても大きな利益にはつながらない」と周知している。一方で、藤田参事は「資源循環には適切な間引きが必要」と強調し、価格下落に伴う「切り控え」が過度にならないよう所有者に求めている。


 

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