【中国新聞】
パラシュートとエアバッグを付けた産業用ドローンを上空から落下させて衝撃がどの程度緩和されるかを確認する実験が、広島県府中市桜が丘グラウンドであった。2022年12月に市街地や住宅地上空での自動飛行が可能な「レベル4」が解禁されたことを受けて市が企画した。
ドローン開発製造のエールリンクス(府中市)と、ドローン用安全装置開発の日本化薬セイフティシステムズ事業本部(兵庫県姫路市)が参加。縦横70センチ、高さ41センチのドローンを飛ばし、上空40メートルでモーターを停止。直後にパラシュートが開き、機体はゆっくり降下した。膨らんだエアバッグがクッションになってバウンドし、横倒しになって着地したが、損傷はなかった。
市は「ドローンネイティブシティ」を掲げ、関連業者のマッチングなどに取り組んでいる。実験は市が両社を橋渡しして実現した。日本化薬は今後、エアバッグの膨らみや空気の抜け方の調整、パラシュートも含む小型・軽量化に取り組む。
実験の成功を受け、エールリンクスの上堀高和社長は「機体が落下した際、人に対してけがをさせないことが重要になる」と開発の意義を説明した。
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