2021年10月1日に緊急事態宣言が全面解除、同月下旬には時短要請も解除されました。それまで時短営業要請や外出自粛の影響を受けた事業者に対して『月次支援金』が支給されていましたが、今後はどうなるのかという疑問もあったようです。
2021年12月現在、11月以降分については『月次支援金』が発表されていません。しかし、岸田内閣はコロナ禍の経済対策の柱のひとつとして、中小企業に向けた新たな『事業復活支援金』の支給を決定しました。新型コロナウイルスにより影響を受けた中小企業は地域、業種を限定せず、最大250万円の受給できる可能性があります。
今回は、『月次支援金』の代わりともいえる新しい支援金『事業復活支援金』について、ご紹介しましょう。
※最終更新:2021年12月
Contents
【こちらの記事も】「月次支援金」は今後どうなる?緊急事態宣言解除の影響と申請方法を解説
事業復活支援金とは?
事業内容
『事業復活支援金』は、コロナ禍の影響で売上が減少している中堅・企業・小規模、フリーランスを含む個人事業者に対して、その影響を緩和して、事業の継続・回復を支援する目的で事業復活支援金を支給するとしています。
この事業の対象は、新型コロナウイルス感染症の影響を受けたことによる1か月の売上が前年もしくは前々年の同月比の30%以上の減少の企業になります。『月次支援金』や『持続化給付金』の売上減少50%という支給要件より緩和されました。
受給額
・対象者:
新型コロナの影響で2021年11月~2022年3月のいずれかの月の売上高が50%以上または30%~50%未満の減少した事業者(中堅・中小・小規模事業者・フリーランスを含む個人事業主)
・開始時期:
補正予算成立後、所要の準備を経て申請受開始予定
・受給額及び上限額:
受給額は、売上が50%減少した場合、年間売上が5億以上の事業者は最大250万円、年間売上が1億円以下の事業者は最大100万円を受け取ることができます。個人事業主は最大50万円を受給できます。対象月は2021年11月から2022年3月となっています。給付金額は5か月分(11月~3月)の売上減少額を基準にして算定するとしています。
売上高の減少額及び上限額の一覧は以下の表のようになります。
事業復活支援金の申請方法は?
必要書類
必要書類は、確定申告書、売上台帳、通帳の写し、本人確認書類の写し、その他中小企業庁が必要と認めた書類などとなっています。
申請方法
事務局では、大規模な申請受付を行うとともに、審査、振込、申請者サポート、登録確認機関による事前確認、広報等を円滑に行い、迅速かつ適正な給付を行うものとしています。登録確認機関には、中小企業等経営強化法に基づき認定を受けた経営革新等支援機関などやその他個別法に基づく士業関連機関等を対象とします。
一次支援金・月次支援金を申請者は情報が引き継がれる
過去に『一時支援金』や『月次支援金』の申請した事業者は、情報が引き継がれ、申請してから2営業日から2週間以内の入金が予定されています。『月次支援金』の申請の流れはこちら。
不正受給の対策が強化
『持続化給付金』の不正受給が多く見られたため、今回の『事業復活支援金』は不正受給対策の強化と審査が厳格化される予定です。具体的には、商工会議所や金融機関などによる事前確認を徹底する方針とのことです。また、迅速な給付を行うため、原則、電子申請の方式で行います。
なお、この内容は、2021年11月26日の発表時点の内容です。最新の詳細は、経済産業省のホームページおよび中小企業庁のホームページで確認するようにしましょう。
事業復活支援金に関連した支援制度
最後に、『事業復活支援金』に関連する支援制度の最新情報をご紹介しましょう。
月次支援金はいつまで?
冒頭でも触れた『月次支援金』は、2021年4月以降に実施された緊急事態措置またはまん延防止等重点措置に伴い、飲食店の休業・時短営業や外出自粛などの影響を受けた中小企業は、月最大20万円、個人事業者は、月最大10万円の給付する制度です。2021年4月分~10月分までの支給が発表されています。
雇用調整助成金はどうなる?
『雇用調整助成金』は、経済上の理由により、事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、雇用の維持を図るための休業手当に要した費用を助成する制度です。
2020年より新型コロナウイルス感染症の影響を受ける事業主を対象に『雇用調整助成金』の特例措置が実施されていました。2022年1月~3月についての本助成金の特例措置は延長されましたが、金額は段階的に縮小されることが発表されました。
本来、本助成金は一人あたりの支給日額の上限が8,330円ですが、この特例措置によって原則1万3,500円まで引き上げられていました。2021年12月までは1万3,500円の特例措置が適用されますが、2022年1月~3月は本来の上限の8,330円よりも高くなるものの、これまでの特例措置の1万3,500円より低い水準に抑える予定となっています。
2022年1月以降の特例措置については、厚生労働省発表の資料『2022年12月以降の雇用調整助成金の特例措置等について』で、“2021年11月24日現時点の予定”として下記の通りの内容が発表されています。
一人あたりの上限支給日額(中小企業・原則)
2021年12月:13,500円
2022年1月:11,000円
2022年2月:11,000円
2022年3月:9,000円
まとめ
今回の中小企業向け補正予算の中で、『事業復活支援金』が2.8兆円と大きな部分を占めています。その他、『事業再構築補助金』、『ものづくり補助金』、『IT導入補助金』などさまざまな支援策が揃っています。コロナ禍以降の企業活動に向けて、各補助金の活用の検討することも一案です。
【あなたにおすすめ】
社労士が教える!「事業再構築補助金」申請書づくりのコツ・書き方のポイント
補助率や対象の拡大も!? 中小企業の強い味方「ものづくり補助金」を詳しく解説
非対面化の取組みも強化!「IT導入補助金2021」の対象と申請方法【事例紹介あり】
【経営ノウハウの泉】中小企業経営のための情報サイト