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2022年の年頭にあたり、枝広市長に昨年の振り返りと今後の取り組みについて聞きました。インタビュアーは広報テレビ番組「ピース!ピース!ふくやま」リポーター 中国放送田口麻衣アナウンサーです。
新型コロナウイルス感染症対策
田口
明けましておめでとうございます。
昨年は新型コロナウイルス感染症対策に追われた1年ではなかったでしょうか。振り返っていかがですか。
市長
本市でも3度、感染の山が押し寄せてきました。8月を中心とした第5波では病床が足りなくなりかけた時期もありましたが、皆さんにご協力をいただきながら感染予防対策に努めてきました。ワクチン接種も順調に進み、昨年12月からは3回目の接種が始まりました。まだ1・2回目の接種を受けていない人は改めて接種をお願いします。また、経済を止めてはならないこととコロナを抑え込んでいくことの2つの観点から感染症対策に取り組みました。ただ、今年もコロナウイルスがなくなったわけではありません。引き続き皆さんと力を合わせてこの難局を乗り切っていきたいと思います。
デジタル化の推進
田口
そんな中、デジタル化への取り組みも進みましたね。
市長
デジタル社会に取り残されないよう本市でもいろいろな取り組みを先行してきました。まずは行政のデジタル化です。書かない、待たない、そして行かなくても手続きができる市役所の実現に向けて昨年から取り組みを強化しました。証明書の手数料のキャッシュレス決済や印鑑が不要なスマート申請などができるようになりました。
(画像左)窓口でのキャッシュレス決済(画像右)講習会でスマートフォンの使い方を学ぶ様子また誰一人、デジタル社会に取り残されてはいけません。高齢者の中にはデジタル社会の到来を不安視している方もいらっしゃいます。私たちがめざす行政のデジタル化は簡単に手続きができるシステムを作り提供することです。講習会を開催し、誰もがデジタル社会の恩恵を得られるようにしたいと思います。地方こそデジタル社会の恩恵が大きく感じられます。行政がリードしていき、地域や企業のデジタル化を進めていきます。
子育て支援
えほんの国で読み聞かせを楽しむ親子
田口
子育て支援にも力を入れてこられた印象があります。
市長
県内でも先頭を切り、妊娠から出産、子育てまでを支援するネウボラという制度を開始しました。子育て相談窓口を市内に13カ所設けており、その一つが閉館したエフピコRiMにありました。閉館に伴い、昨年5月に天満屋福山店にネウボラ相談窓口「あのね」と併せて子育て世代からとても人気があった「えほんの国」をリニューアルオープンしました。
築城400年記念事業
田口
今年はいよいよ福山城築城400年の年ですね。
市長
1622年に福山城が築城され、今年が400年の節目に当たります。2020年から整備を本格化させ、天守や月見櫓などの改修工事に着手し、全国で唯一とされる天守北側鉄板張りの復元も進めています。今年7月には足場が取れ、新たな天守がお目見えします。「江戸時代建築最後の名城」と讃えられた力強さを感じる城に衣替えをしてくれるのではないでしょうか。そして福山城博物館の展示リニューアルにも取り組んでいます。今回の改修にあたり市内外から多額の寄付をいただきました。これは福山城に寄せる熱い気持ちの表れだと思います。
2月からはリレーイベントで各地域を巡回し、記念日に向けて意識を高めていき、8月28日の築城400年記念日のグランドオープンでは、市民の皆さんと400年を祝いたいと思います。来年1月にはとんどで盛大に幕を閉じますが、福山城を誇りとする市民の気持ちはこれからも続いていきます。私たちのシビックプライドを醸成してくれる福山城。その気持ちをみんなで共有する1年にしていきたいです。
福山駅周辺の再生
中央公園でのイベントの様子
田口
福山駅周辺の再生もずいぶん進んでいますね。
市長
就任以来、福山駅周辺の再生を大きな公約の柱に掲げ、着実に進めてきました。三之丸町で長く閉店していた商業施設跡地にも2棟目が建ち始め、全部で3棟の複合ビルが建つ予定です。伏見町エリアでは小さくともきらりと光る商店が増えてきています。また閉鎖したエフピコRiMも4月に一部がオープンし、9月にはグランドオープンします。周りの地域と一体となったオープンな空間で若い人たちが集う、そんな風景がよみがえってきます。そして中心市街地の再生として、中央公園では昨年5月にオープンしたガーデンレストラン「Enlee」をはじめ、芝生広場で本の読み聞かせが行われるなど開放的な空間になっています。これら駅周辺の再生の取り組みをウォーカブルなまちづくりと呼んでいます。駅を中心に新たなにぎわいづくりが進んでいます。
協働のまちづくり
市長
2025年には本市で「世界バラ会議」が開催されます。私たちにとっては初めての本格的な国際会議です。本市にはリーデンローズや福山城、鞆の浦、神勝寺などの魅力的な建物やエリアがあります。それらを会場に見立てた「エリアMICE」という取り組みを実施します。これからの3年間は「都市環境整備3カ年集中対策」と称し、国際都市にふさわしい環境を整えていきます。大会の記念ばらを選出する「ばらの新品種国際コンテスト」も予定しています。
また本市はこれまで行政と地域が両輪でまちづくりを行ってきましたが、そうしたまちづくりの拠点施設が老朽化してきています。そこで新たに、旧福山市体育館の場所にまちづくり支援拠点施設を作り、まちづくりに熱い思いをもつ人々がアイデアを出し合える場所を提供します。
皆さんへのメッセージ
今年は福山城築城400年の記念の年です。「城のあるまち福山」が市民の皆さんの誇りとなるよう新型コロナウイルス感染症対策にもしっかりと取り組みながら実施します。そして、市民の皆さん一人ひとりの声を大切にする市政運営に努めてまいります。