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「弁護士ドットコム」は、弁護士に無料で法律相談できる「みんなの法律相談」や、地域や分野などから弁護士や法律事務所を探せる「弁護士検索」など、法律トラブルの解決をサポートするコンテンツを多数ご用意しています。
離婚や交通事故、任意整理、自己破産など法律トラブルで悩み、弁護士のサポートを受けたいと思っても、探し方や選ぶ基準がわからない場合もあるでしょう。相性がよく、信頼できる弁護士と出会うにはどうすればよいのでしょうか。弁護士の探し方・選び方について、弁護士自身はどう考えているのか。弁護士ドットコムでは100人の現役弁護士に匿名のアンケートを実施して意見を集めてみました。
目次
弁護士の探し方、おすすめは?
法律トラブルにあったことがなく、身近に弁護士がいなければ、そもそもどうやって弁護士を探せばいいのか疑問に思うかもしれません。自分にぴったりの弁護士を見つけるには、どのような探し方がベストなのでしょうか。弁護士の生の声を紹介します。
知人に紹介してもらう
複数の弁護士がおすすめしていたのが、知人の紹介。その弁護士の人柄や経歴をよく知っている人や、実際にトラブルを解決してもらった人からの紹介であれば、たしかに安心して依頼できそうです。「まずは知り合いに弁護士の紹介を頼むべき。つぎに、自宅近くの事務所を選ぶべき。何度も打ち合わせを行うこともよくあるため」「まずは直接の紹介が一番。お互い不義理はできないし、当職の取扱外でも責任をもって精通者を紹介できる」
インターネットで探す
とはいえ、弁護士を紹介してくれる人が身近にいない場合もあるでしょう。そんなときに便利なのがインターネットです。「離婚 弁護士 東京」などと検索すると膨大な情報が出てきますが、特に注目したいのは以下の情報です。
相談したい分野への注力度
「相談したい分野について、ホームページなどで取扱分野として掲載しているかどうか。弁護士であればどのような分野であっても大体は取り扱っているが、HPなどに取扱分野として掲載しているものは特に力を入れているのが通常なので」「取扱分野を絞っている弁護士で、相談したい分野が特に専門であり、ホームページに実績などを提示している弁護士を選別する」
経歴や経験年数
「同種案件について多くの事案を手がけているかという観点から選定するのがよいと思う。また、経歴、弁護士経験年数も参考にすべき。年数が長ければ必然的に同種案件を取り扱うことが多くなる」「まずは弁護士ドットコムや事務所のホームページを調べて、相談者が希望する弁護士の経験年数、性別、年齢、事務所の場所、初回相談料の有料・無料の別などから、相談したい弁護士をピックアップするのがいいと思う」「懲戒歴がない先生であること」
人柄や説明のわかりやすさ
「ホームページを開設している弁護士の場合、その弁護士自身の自己紹介文やごあいさつ文が人柄を知る手がかりとなる」「コラムやホームページなど、弁護士が書いている文章を探して、読んでみる。容易に理解し、納得できる内容になっているかどうかをはかる」
事務所へのアクセスのしやすさ
「自宅や職場に近いかどうか、事務所用の駐車場があるかどうかなど。頻繁に通うことになっても大変でない場所がいいと思う」「委任をしたあとには、打ち合わせなどで何度か事務所に行くこともある。自宅から事務所への距離、時間、移動手段などを考え、さらに、オンラインでの打合わせをおこなっているか否かも確認して、できるだけ受任後に大変にならないか検討することが必要」
初回面談で注目すべきポイントは?
紹介とインターネット、どちらの方法で探すにせよ、依頼するかどうかの最終的な決め手となるのは実際に会って話したときの印象です。弁護士のコメントの中にも、「サイトの情報だけで判断せず、実際に面談をしてみて、信頼性・相性を含めて判断すべき」との指摘がありました。初回の面談では、どのようなポイントに注目するとよいのでしょうか。
話しやすさ・説明のわかりやすさ
「初回面談では、話しやすいかどうか、話をちゃんと聞いている様子かどうか、感じが悪い・何故か怒られた・威圧的などの様子がないかに注目。ベストなのは『話して気持ちが楽になる』場合だと思う」「親身になって聞いてくれていたか?時間をかけて聞いてくれていたか?事件には直接関係ないことも、話しをさえぎらず、聞いてくれていたか?」「法的な説明が分かりやすいかどうか。親身になって考えてくれているか。色々質問してみて、疑問点に細かく回答してくれるか。弁護士と連絡が取りやすい体制(メール、携帯電話など)が構築されているか」
自分に不利な点も伝えてくれたか
「相談者に対して、不利な点も伝えてくれるかどうか。請求が認められることは相談者にとって重要なことではあるが、多くの事件では、何かしら相談者にとって不利な点がある。そのことを踏まえて、事件処理方針を検討してくれる弁護士が信頼に値する」「親身に話を聞いてくれるか、不利な点や望まない結果になった場合に生じる不利益を説明してくれるか、質問したことにしっかりと回答してくれるか」
今後の見通しを示してくれたか
「自分の話をきちんと聞いてくれるかということは、満足度という観点では重要だと思う。あとは、解決までの見通しを立ててくれるかどうか。類似事案の経験があれば格別、経験がない場合でも『このケースではこういうことが争点になって、こうなればこうなります』といった見通しを予め立ててくれる人がいいと思う」「法的なアドバイスをされることは当然であり、具体的にどう進めていくのか、相手方からの反論予想に対してどう対応する予定なのかも説明しているか、証拠が足りているか、不足する場合どのような証拠を収集すべきかアドバイスされたか。面談後、時間があるのであればセカンドオピニオンを聞く、なければ説明された内容をネットなどで調べてみて齟齬がないか確認したほうがよい」「単なる法的な観点のアドバイスではなく、相談者の事案解決に向けた具体的なアドバイスをしてくれるかどうか。法的にはこうだという話だけして、どうすればいいのかを言わない先生は意外といる」
費用の説明が明確か
「弁護士費用の明確さ。何にいくらかかるのか、明細まで確認すべき。支払い時期も重要」「相談者や依頼者は、最終的にかかる費用をよく理解しないまま委任してしまい、後のトラブルとなることが多いので、費用の詳細をよく調べるべき」
相談する分野別・弁護士選びのポイント
弁護士から寄せられたコメントの中には、「相談する分野によって重視すべきポイントが異なる」という意見が多数ありました。ここからは「離婚・男女問題」「刑事事件」「労働問題」の各分野について、弁護士を選ぶうえで注目したいポイントを紹介します。
【離婚・男女問題】人柄・話しやすさが最重要
離婚・男女問題について相談したい場合、弁護士の人柄と話しやすさに注目です。パートナーとの関係など、プライベートな話でも、「安心して打ち明けられる」と思えるかどうかを重視するとよいでしょう。「離婚・男女問題の場合、一定の基礎知識があることが分かれば、あとは人柄重視」「初回面談において、きちんと話を聞いてくれたか、自分の立場に共感し、味方になってくれそうか、といった印象を大事にすべき」「最終的にはその弁護士とのコミュニケーションにおいて、ストレスが生じないかどうかだと考える。弁護士とのやり取りが多くなる分野ほどその傾向があると思うので、離婚・男女問題では特に大事だと思う」この他、「調停官、調停委員の経験があるか」「ホームページ上に離婚や慰謝料請求を煽るような記載がないか」などをチェックするよう勧めるコメントもありました。
【刑事事件】対応の速さがポイント 実績も要確認
刑事事件について相談したい場合、弁護士選びのカギとなるのは対応の速さです。相談した当日から事件処理に向けて動いてもらえるか、土日や早朝・夜間でも連絡が取れるか、といったポイントをホームページなどで確認するとよいでしょう。「刑事はとにかく迅速対応が大事。迅速に連絡が取れる体制を明記しているか。被害者の場合は、心理的配慮をしてくれるか」「すぐに動いてくれそうか、警察や検察への対応方法を複数提示できるか、親身になってくれるか、秘密を守れるか、テレビ局や新聞記者に対する対応をしてくれるか、ネットニュースになった場合に削除対応をしてくれるか」刑事事件は、弁護士によって、経験があるかどうかが分かれる分野のようです。「犯罪・刑事事件のトラブルについては、経験豊富かどうか。やってない先生はホントにやっていない」というコメントもありました。刑事事件の相談をするときには、ホームページなどで弁護士の実績を確認しておきましょう。この他、「示談交渉を依頼したいのであれば、弁護士に誠実さや人柄のよさを感じるか否か」など、弁護士の人となりに注目するよう勧める意見もありました。
【労働問題】実績重視 費用対効果もチェック
労働問題について相談したい場合、弁護士を選ぶポイントとしては「実績重視」という意見が挙がりました。「同種の事件を担当したことがあるか否か、労働審判委員の経験があるか」「労働は実績重視。法改正が多いのでホームページ上の情報が正しく更新されているか」費用対効果が見合うかどうかも重要です。初回の面談で、解決の見通しや、費用倒れにならないか、といったポイントを詳しく聞くことをおすすめします。「他の分野よりも費用体系が事務所によって大きく変わるイメージがある」「見通しと費用対効果はしっかり考えたほうがよい」この他、「使用者側の弁護士か、労働者側の弁護士かの確認は、必須」という意見もありました。事務所によっては、労働者側のみ、もしくは使用者側のみの相談しか受けていない場合があるので、ホームページなどで確認しましょう。
複数の弁護士と面談をして比較検討するとよい
「弁護士と面談したけれど、相性がいいのかよくわからなかった」「悪くはないけど決め手に欠ける」といった場合もあるでしょう。弁護士からは「複数の法律事務所に相談するのも全然ありだと思う」という意見も寄せられました。「多くの弁護士に会った方がいい。今どき、何かに金を払うのに、価格コムを見たり、相見積りをしないなんてありえないと思う。弁護士も同じ。多くの弁護士に会えば、依頼すべき弁護士とそうでない弁護士が自ずと分かる」候補の弁護士が複数いる場合は、それぞれの弁護士と面談をしてみて、話しやすさやトラブル解決の方針などを比較し、最終的に依頼する弁護士を決めるとよいでしょう。