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【ニュースイッチ】食料、環境、エネルギーの問題を一手に解消する/バイネックス(東京都港区)

ディープテックは、将来的に世界を大きく変える可能性を秘めた科学技術のことを指します。
「可能性に満ちた深い(ディープ)ところに眠っている技術」と、「社会に深く根ざした問題(ディープイシュー)を解決できる技術」という2つの意味があります。

今回は、「食料、環境、エネルギーの問題を一手に解消する」。バイネックス(東京都港区)の青木宏道代表はこう力を込める。同社はイネ科の植物「ソルガム」の特徴を生かして、環境負荷の低いエネルギー源を開発する。、という記事です。


【ニュースイッチ】【ディープテックを追え】

2022年08月18日

「食料、環境、エネルギーの問題を一手に解消する」。バイネックス(東京都港区)の青木宏道代表はこう力を込める。同社はイネ科の植物「ソルガム」の特徴を生かして、環境負荷の低いエネルギー源を開発する。

生育が早いソルガム

ソルガムの特徴は乾燥に強い点だ。イネやコムギが育たないような地域でも成長するため、雑穀や飼料として多くの地域で栽培される。成長も早く年3~4回収穫できる。また、成長の過程で二酸化炭素(CO2)を土壌に固定化する。バイネックスはソルガムから食料に加え、バイオ燃料を製造。ソルガム成長時のCO2吸収をカーボンクレジットとして活用して、環境負荷の低減を目指す。

オーストラリアでソルガムを育てる(同社提供)

バイオ燃料を製造するのに適したソルガムを東京大学と開発した。栽培する地域の気候や病気への耐性などを考慮した種子を使う。すでにアジアや中南米など、19カ国で実績を積んできた。同社は、収穫したソルガムの葉や茎などを粒状の燃料「ペレット」やバイオマスガスに加工。ペレットは火力発電で石炭と混ぜて燃やしたり、鉄鉱石を還元するのに使う。バイオマスガスはメタノールに加工して、燃料や化学原料としての活用も想定する。

エネルギーとして燃焼する際にCO2を排出するが、ソルガムの生育時にCO2を吸収するため、全体の排出量はマイナスになるという。スギと比較すると、約10倍の1ヘクタールあたり150トンのCO2を吸収できる。

オーストラリアで栽培

青木代表

シンガポールの子会社と通じて、オーストラリアの農業法人と協業。合計で5万ヘクタール規模の農地でソルガムを栽培することに合意している。すでに契約農家を抱えており、早ければ10月から栽培を始める。初年度の栽培面積は5000ヘクタールで、ペレットにすると30万トン規模になる予定。今後順次、栽培面積を拡大する。またペルーなど中南米へ栽培地を広げる計画だ。

ソルガムからバイオマスガスを作るプラント(同社提供)

並行して、燃料加工の体制も構築する。年産350キロリットルのバイオマスガスを製造できるデモプラントを8月にも長崎県長崎市で稼働する。近くサンプル出荷も始める。最終的にはソルガムを栽培する地点の近くに、ペレットやバイオガスの加工拠点を設ける。ペレットでは収穫が始める2023年に、年産30万トン規模の加工拠点を稼働する予定。24年にも年産90万トン規模へ拡大する。将来はバイオマスガスから、燃料電池向けの水素や再生航空燃料(SAF)の製造も視野に入れる。青木代表は「石油化学でできることは何でもやりたい」と展望する。

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