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在来種でも生き物を安易に野外に放たないで/2022年9月21日更新

2022年9月21日更新

飼育していた生き物を安易に野外に放つ事例が日本各地で相次いでいます。日本の在来種であれば問題ないと思いがちですが,在来種であっても生態系に悪影響を及ぼす恐れがあります。ペット等の飼育している魚、カメ、昆虫などの生き物は安易に野外に放たないでください。

魚を放流しないでください

(環境省HPより)

国内外来種とは

「外来種」とはもともとその地域にいなかったのに、人間の活動によって他の地域から入ってきた生き物のことです。「外来種」という言葉を見ると海外から日本に持ち込まれた生き物と思いがちですが,日本国内の他の地域から持ち込まれた場合でも「外来種」となります。このような外来種を国内由来の外来種と言います。

 

問題点

生き物はそれぞれの地域で長い年月をかけて独自の進化を続けています。在来種が生息している場所に遺伝的に近い別種(亜種)が入ると,容易に交雑し,最終的に元にいた在来種が絶滅してしまいます。また,同じ種であってもそれぞれの地域で遺伝子が異なる遺伝的特徴を持っています。他地域の種と交雑が進むと地域固有の遺伝的特徴が失われます。また、同じ地域だとしても病気や寄生虫を持ち込む恐れもあります。

 

生き物の例

メダカ

福山市に生息するメダカは市販されている改良メダカと遺伝子が異なります。また,それぞれの地域固有の遺伝的特徴を持っています。メダカは繁殖力が高いので飼育すると増えることがありますが,日本の在来種だからといって放流すると地域の遺伝的特徴が失われます。

タナゴ

タナゴは婚姻色が美しく釣りや飼育に人気があるため安易に放流する事例があり問題となっています。福山市と岡山県にのみに生息するスイゲンゼニタナゴは九州地方のみに生息するカゼトゲタナゴと交雑してしまいます。また,同じスイゲンゼニタナゴでも岡山県と福山市では水系毎に遺伝子が異なります。

コイ

川の環境教育として放流される事例がありますが,ニシキゴイではない黒色のコイであっても外来種であり生態系に大きな悪影響を与えることが分かっています。また,コイヘルペスウイルスまん延防止のため放流が制限されることがあります。
※令和4年9月現在、芦田川水系ではコイの放流が禁止されています。(参考HP参照)

カブトムシ・クワガタ

カブトムシやクワガタはペットとして人気があります。狭いケージがかわいそうだからといった理由やたくさん幼虫が産まれたからといった理由で放虫を考えてしまう人がいますが、昆虫でも地域によって遺伝子が異なります。日本の在来種であっても放虫しないでください。

参考

環境省HP 外来種問題を考える https://www.env.go.jp/nature/intro/2outline/index.html
環境省HP あなたが飼っている魚を放流しないでくださいhttps://chushikoku.env.go.jp/wildlife/m_3_1/web_5.html
広島県HP 「コイヘルペスウイルス病」に注意!https://www.pref.hiroshima.lg.jp/soshiki/88/khv.html

 

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