【SBS】
2022年11月26日
地球温暖化の原因となる二酸化炭素を減らそうと、ある木を育てる実験が静岡県御前崎市で行われています。あっという間に成長するという特徴を生かし、地球温暖化対策はもちろん、高級木材の確保という一石二鳥の効果を狙います。
<日本菌根菌財団 石井孝昭理事長>
「これが約半年後の生育です」
Q.半年でこうなっちゃうのか
「驚きの生育です」
Q.どのくらい高さありますか
「これで4.7m」
この木の名前は「ジャパロニア」、「早生日本桐」と呼ばれる桐の木です。2022年5月に植えられました。石井さんたちはこの木を育てる実験をしています。この「ジャパロニア」、一般的な植物のおよそ2倍の二酸化炭素を吸収するといわれています。
この実験では、木の成長をさらに加速させるため、あるものの力を借りています。菌根菌、カビの仲間です。石井さんたちはいま、この菌根菌を独自に育てて、桐に与える実際の効果を調べています。
<日本菌根菌財団 石井孝昭理事長>
「菌根菌というのは、ここの土の中で生育していて、菌根菌と『ジャパロニア』が根でつながっているんですね」
菌根菌は、桐の根の中に入り、土の中へ菌糸をのばします。菌根菌の菌糸は、土の中にある栄養分を取り込み、効率的に植物へ運び、成長を促すのです。菌根菌を使った土を使うと半年でおよそ5mも育つ木になります。
<日本菌根菌財団 石井孝昭理事長>
Q.これで成長しきった状態なのでしょうか
「そうじゃなくてですね。1年、2年、3年、4年と大体直径が40cmくらいになります」
<記者>
「たしかに年輪が4本しかないですね」
一般的な木の成長は、20年かかるといわれますが、「ジャパロニア」はなんと5年で15mにもなるといいます。さらに、「ジャパロニア」の二酸化炭素の吸収量は1.5倍にもなるという効果がわかりました。
<日本菌根菌財団 石井孝昭理事長>
「大気中の二酸化炭素の削減というのが世界的に話題になっています。それをなんとかこの桐を使って貢献したいなと。これからの環境問題、あるいは作物生産、あるいは農村の振興というものに活用していければいいなと思っています」
成長した「ジャパロニア」は農園で育てることができ、一般的な桐同様、角材としても使えます。菌根菌と「ジャパロニア」、この強力なタッグが地球温暖化対策の救世主となるかもしれません。
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