子育てに手厚い施策で、人口が増えて注目されてきた兵庫県明石市。
参考になる事業もある一方で、子育て世帯が増えているのは、周辺の市や町から吸収している人口が多いのでは、と個人的には思っていましたがやはりそういう側面があるようです。
この加古川市長のインタビューから、子育て支援は、国をあげて取り組むべきで自治体同士で取り合いをしてはならない、と率直に思います。
2023/1/27
【神戸新聞】
手厚い子育て支援が人口を増やし、人口増が税収を押し上げ、「まちの好循環」が起きている-。泉房穂明石市長による、このような発信に、兵庫県加古川市の岡田康裕市長が疑問を投げかけている。景気拡大により全国の自治体で税収が増えた中、人口増による税収増効果を過大に見せているとして、泉市長の発信の仕方は人びとの誤解を招く「数字のマジック」と指摘する。隣まちから見る泉市政について聞いた。
■税収増「人口増が要因か」
-泉明石市長の発信に対し、抱いている疑問とは。
「人口増により税収が三十数億円増えたと多くの人は受け取っているが、果たしてそうだろうか。安倍政権下の財政拡大や金融緩和の影響で、多くの自治体の地方税収は増加傾向にあった。明石市は『好循環』の例として、2020年度までの8年間で個人市民税と固定資産税、都市計画税の合計が32億円増えたことを挙げるが、加古川市も14億円増えた。この間、人口(住民基本台帳ベース)は明石市で8千人増えた一方、加古川市で9千人減っているのに」
「この3税を含む地方税収を見ると、この間、明石市で40億円増えた。人口規模が似た全国の94市では平均23億円の増加にとどまるが、この差は明石市へ新たに事業所税が入るようになったことによる。その17億円(20年度)分を差し引くと、人口増による税収増効果は見えなくなる」
-事業所税は、人口が30万人を超す市などが地元企業から取れる。明石市の人口が増え、30万人台に乗った結果ではないか。
「明石市でやったことは全国どこの自治体でもできると泉氏は言うが、人口規模が異なる自治体に対し、事業所税についても同じことが言えるのか」
-ほかの疑問は。
「貯金に当たる基金残高も10年度の70億円から20年度の112億円まで42億円増えたというが、明石市有地の売却益(JT工場跡地31億円)が大きい。人口増と切り離して論じなければ誤解を招く。ちなみに明石市の人口1人当たりの積立基金総額は20年に4万7千円と、人口規模が似た全国の94市の平均7万1千円と比べて高くない」
「たとえ人口増による税収増効果が大きかったとしても、手厚い子育て支援による『まちの好循環』を全国の自治体に広める-との論理そのものがおかしい。明石市の人口増は他市町からの転入によるものだが、自治体がみんな子育て支援を手厚くした場合、そのまちへ、どこから人が転入してくるのか。どうやって財源が生まれるのか」
■比較ビラ配り、他市の評判に傷
-「好循環」のほか、泉市長の発信に抱いてきた疑問とは。
「住みやすさをアピールする明石市の広報宣伝にも数字のマジックがある。公園や病院の数について明石市は神戸、加古川、姫路市より多いとのグラフを載せたが、人口でなく、面積当たりで算出しており、面積の小さな明石市の数字が大きくなって当たり前だ。三宮への近さと土地の安さのバランスが優れているとして他市と比べるグラフも示したが、にぎわいの街は三宮だけでなく、姫路もそうだ。加古川から10分で行ける」
「民間企業でも他社の実名を挙げる比較広告はしないのに、市の広報物でここまでするのかと衝撃を受けた。そのようなビラを明石市民にだけでなく、神戸市内の商業施設マリンピアなどでも配った。姫路や加古川、神戸市の評判を傷つけてまで、周辺自治体から人口を流入させようと血道を上げていた」
-13~21年に明石市では加古川市から1855人の転入超過があった。神戸市(4250人)に次ぐ2番目の多さで、3番目は姫路市(1153人)だった。
「東京一極集中を是正しようと政府が地方創生を掲げる中、各自治体は東京や大阪で移住キャンペーンをしてきたが、泉氏は田舎からも人口を吸い上げようとした。播磨地域ではもともと西から東へ、北から南へ人口が動く傾向があったが、まちの明石市が転入を促すことにより、その動きが一気に加速した。たとえ過疎地ができても、その地域を維持するには多くの税金を投じる必要があることにも思いを致してほしい」
-なぜこのタイミングで声を上げたのか。
「数字のマジックの入ったビラで他市の評判を下げてまで自市を良く見せ、転入を促した手法には、市長として正式に抗議し、撤回したり、市民に『やりすぎた』と表明したりしてもらうべきだったと後悔、反省している。歯ぎしりしながら我慢してきてしまったことが、『好循環』の数字のマジックを許している」
「『明石市で好循環を起こせた。他市町でもできるはず。やる気次第だ』との泉氏の発信を見聞きした住民から『なぜ加古川市はしないのか』とずっと言われてきた。ただ、好循環は起きておらず、財源がないのに『しろ』と言われてもみんな困る。全国に広げるべきと泉氏は旗揚げまでしようとしているので、それを正さないと、社会的に悪影響が出ると思った」
2022/1/29 13:00現在
岡崎 正淳FB
個人FBより みなさまのコメント転載
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隣の笠岡に住むだけで家を建てると100万補助、40歳以下で結婚して笠岡に住めば月1万円の住宅補助、中学生まで医療費負担ゼロ、高校生まで入院ベット代ゼロ、限られた人口のとりあいです。渋滞も福山ほど酷くなく、、、こんなにも違うものかと思っています。
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全世界で人口が減少しているのは日本とロシアだけだそうですね。経済の停滞で、共働きしなければ生活できないのが根本にあるのではないでしょうか?子供の面倒を見れないのから託児所などを充実させるなどの支援は親子の絆が分断され、各家族化が進み、昔ながらの三世代が一緒に生活することが煩わしくなり、自分さえよければ!と言う負の連鎖に繋がっていると思います。そこはやはり政治家の皆さんと地域をけん引する企業で是非改革をしていってもらいたい。切に願っております。
有難う御座います -
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市議会議員さんが、国任せの弱気では困りますね。人口減少対策は最終的には国の施策ですが、市町、県の競争が国を動かすのだと思います。加古川市長の嫉妬もあるだろうし、市民の満足度は非常に高いと住んでる弟が言ってましたから、これは事実です。福山も負けないで頑張ってくださいね市税収入の増加分をはるかに超えた支出をしていますので、全くペイできていません。つまりは他の予算を大きく削っているということです。しかし市広報では好循環としていますので、まるで収支がプラスかの印象を与えています。まずは事実をお伝えしてから賛否の議論をしたいのですが、それができない状況です。有難う御座います
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