【ベストカー】
2023年2月10日
思いもしないときに出くわすクルマのパンク。パンクなんかしないと思っているかもしれないが、JAFロードサービスの出動理由では2位に入る「よくあるトラブル」だ。
ひと昔前なら、「タイヤがパンクしたらスペアタイヤに交換」と相場が決まっていた。ところが現代のクルマは軽量化のためスペアタイヤを搭載していないことが多い。代わりに使うのがパンク修理キットなるもの。ところがこれ、いきなり使えと言われてもどうすりゃいいのか分からない難物なのだ。
現場で慌てないために、ぜひともその使い方をマスターしておこう。
文/ベストカーWeb編集部、写真/Adobestock(トビラ写真=soleg@Adobestock)、ベストカーWeb編集部
■タイヤに刺さった釘などは抜いちゃだめ!
はじめにパンク修理キットで行うことを頭に入れておきたい。パンク修理キットはタイヤの中に薬剤を注入してパンクの穴を塞ぎ、コンプレッサーで適正値まで空気を入れて一時的に走行可能な状態とするものが一般的だ。
「パンクした」と思ったらできる範囲で速度を落とし、応急措置が安全に行える場所にクルマを停めよう。ただし高速道路上の場合はパンクしても急停車せず、作業が安全にできるスペースまで移動して、JAFの救援などを待つことも考えたほうがいい。
安全な場所にクルマを停められたら、落ち着いてパンク修理キットを探そう。後部トランクの床下などで見つかるはずだ。ちなみにパンクの原因となった釘などは抜かないこと。釘自体を穴埋めに利用するためだ。
キットが見つかったら開封してみる。たいていはタイヤに空気を入れるコンプレッサー(空気圧計が付いた箱状のもの)とパンク修理の薬剤が入ったボトル、それらを繋ぐ細いチューブから構成されているはずだ。
とはいえパンク修理キットには大きくわけて2つある。ひとつは最初に薬剤を注入し、後からコンプレッサーで空気を入れるタイプ。
もうひとつはコンプレッサー>薬剤ボトル>タイヤバルブをチューブで繋ぎ、薬剤と空気の注入を一度に行うタイプだ(薬剤ボトルをコンプレッサーにねじ込んで固定するタイプもある)。
前者のタイプはちと準備作業がいる。タイヤ内に薬剤を注入するため、タイヤバルブのキャップの奥にあるバルブコア(俗にいうムシ)まで抜き取る必要があるのだ。
バルブコアを抜き取る工具は大抵ボトルに同梱されているが、バルブコアを抜くと一瞬で空気が抜けてタイヤがぺっちゃんこになる。場合によってはタイヤやホイールを傷めるので、できればジャッキアップすることをオススメする(安定した木片やブロックを車体下に挟む手もある)。
その後に薬剤を注入するわけだが、その時は薬剤をタイヤ全周に行き渡らせるため、タイヤバルブの位置が上に来るようクルマを停車させるといいだろう。
次ページは : ■応急措置が完了しても走るのは100km程度に