【HTV】
2023.03.02
広島市教委が、小学生向けの平和教材から漫画「はだしのゲン」の記載を削除するのに続き、アメリカの水爆実験で被曝したマグロ漁船「第五福竜丸」の記載が中学校向けの教材からなくなることが分かった。
「第五福竜丸」の記載がなくなるのは、広島市が平和教育プログラムの教材として使用している中学生向けの「ひろしま平和ノート」だ。南太平洋で操業中だった「第五福竜丸」は、1954年3月、アメリカによるビキニ環礁での水爆実験で「死の灰」を浴び、被曝した。現在の教材は、被曝から半年後になくなった無線長の久保山愛吉さんの「原水爆の被害者は私を最後にしてほしい」との言葉などを、写真入りで紹介している。市教委は、プログラムの内容を検証する過程で、有識者から「被爆の実相を確実に継承する内容になっていない」との指摘があり、削除を決めた。一方で、「教員を指導する資料には残す」としている。
●広島市教委指導第二課 長屋吉輝課長
「核軍縮の流れの中で、きっかけとなった事象として第五福竜丸のことがあるので、指導資料にも残して(授業で扱うよう)指導するという設定。」
新たな教材では、核保有国の核弾頭の数や世界の核実験場の分布図を掲載…。核の課題を考えるとしている。