【朝日新聞】
2023年3月21日
自転車が関係する交通事故を減らそうと、愛知県警が取り締まりを強めている。信号無視や一時不停止などは道路交通法違反で、「交通切符(赤切符)」を交付する。書類送検され、罰金の対象となることがある。
道交法で軽車両と位置づけられる自転車は、車と同様に信号無視や一時不停止、飲酒運転などの取り締まりの対象となる。2015年からは、赤切符を3年以内に2回以上交付されると、「自転車運転者講習」(講習手数料6千円)の受講が義務づけられている。
県警によると、昨年の自転車による人身事故は5798件。その7割超で自転車側に何らかの法令違反があった。過去5年でみると、人身事故は減る傾向にある一方、自転車が関係する事故の割合は増えているという。
20日、名古屋・栄で県警の自転車部隊「B―Force(ビーフォース)」の隊員ら約20人が取り締まりにあたった。自転車による人身事故のほとんどが交差点内で起きていることから、隊員らは広小路通の交差点やその付近に立って目を光らせた。
約2時間で赤切符を5件交付した。一時不停止3件、信号無視2件だった。一つは、高齢女性の自転車が赤信号を無視して道路を横切り、左折の車と危うく接触するところだった。
そのほか、指導内容を文書で渡す警告は18件。イヤホン着用や並列走行が目立った。イヤホンを着けたまま運転していた通勤中の男性(25)は「自転車ルールは迷うものが多い。イヤホンも、警告を受けるまでグレーゾーンだと思っていた。細い道の一時停止もしていない人が多い」。警察の取り締まりについては、「事故が少しでも減るなら、ぜひやってほしい」と話した。
県警によると、昨年の自転車運転者の検挙は1773件に上った。最多は一時不停止の653件、次いで信号無視の637件だった。交通指導課の田島俊二課長補佐は「自転車が加害者になるケースが増えている。事故に遭わない、起こさないために、基本的なルールを守ってほしい」と呼びかける。(良永うめか)
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