【RCC】
2023年3月31日
2015年3月が199円、ことし1月が232円と最も高くなっていて、およそ16パーセントも値上がりしています。これは、牛乳1リットルの価格推移です。
価格は上がっているのに、広島県内の酪農家は9割以上が赤字といわれる状況だといいます。その理由を取材しました。
牛乳の価格について、街で聞きました。
街の人たち
「値上がりしていますね、以前よりは」
「高いです。すごく上がったなと思います。安いのを少しでもと思ったりもしますし、量が減りますね」
「あまり飲まなくなるとたいへんだと牧場に行って聞いたので、消費は続けていく」
広島・安芸高田市 高宮町の田島牧場です。この牧場では乳牛を29頭飼っています。経営するのは、田島あゆみ さん。6年前まで農林水産省の牛乳・乳製品を扱う部門に所属していました。
酪農家 田島あゆみ さん
「農水省に入って、酪農家へ見学に行くことがあったんですけど、そのときにやっぱり楽しそうだったのと、牛がやっぱりかわいいと思ったのと、やはり牛乳って本当に生活に欠かせないものだと思うので、そういう生産に携わってみたいというので酪農を選びました」
今は夫と二人三脚で牛を育てています。酪農家の1日は、朝4時のエサやりと牛舎の掃除から始まります。牛の乳しぼりは早朝と夕方の2回です。夕方6時、子牛の世話をして、ようやく1日の仕事が終わります。休日もない酪農家ですが、今、田島さんをはじめ酪農家が窮地に陥っています。
田島あゆみ さん
「エサ代が去年の1月、130(万円)ぐらい。だんだん5月あたりに上がってきて、12月は一番高かったかもしれない」去年12月には200万円を超えました。主な理由は、ロシアによるウクライナ侵攻や円安の影響です。
三次市の広島県酪農業協同組合を訪ねました。こちらでは、酪農家にエサや資材などを提供しています。
広島県酪農業協同組合 温泉川寛明 組合長
「酪農家のみなさんに少しでも安い国産自給飼料を利用したエサを使った物を供給して、生産費を下げてくださいという努力をしている」
酪農家を苦しめているのは、エサ代の高騰のほか、もう1つあります。