琉球大学は23日、宜野湾市の沖縄コンベンションセンターで卒業式を開き、学部生1406人と院生245人の計1651人が卒業した。卒業生代表の一人は人工知能(AI)が質問に答えるサービス「チャットGPT」を使って生成した答辞を読み上げた。

大学院生代表で観光科学専攻の閔祥凱さんは中国にルーツがある。「外国人である私が日本語の文章を書く場合、数日かかるかもしれません」と前置きし、「今ではAIがわずか数分で書き上げることができます。そうです、この答辞の初稿もチャットGPTが私の代わりに書いてくれたものです」と会場を驚かせた。

将来、修士論文もAIで苦労なく執筆できるようになるかもしれないと話す一方、「自分の力で修士論文を書き上げたことに大きな価値がある」と自ら学ぶ価値を訴えた。

西田睦学長もAIの発展を例に出し、「学びの成果を急速に変化するこれからの社会で積極的に生かしてくれることを願う」とあいさつした。

人文社会学部の比嘉健貴さん(22)は「コロナ禍でも、友達と一緒にリモート授業を受けるなどして、モチベーションを保ってきた」と学生生活を振り返った。大学院で建築を学んだ安谷岳さん(25)は、「いつか就職先の東京で、沖縄の建物の設計担当者になりたい」と夢を語った。(社会部・松田駿太)