災害時の避難所を確保しようと、広島県福山市は、3月末、市内にオープンした移動式宿泊施設の運営会社と協定を結びました。

岡山県に隣接する福山市大門町で3月25日に開業したのが、「HOTEL R9 The Yard 福山」です。

杉木健那 記者

「ずらりと並んだコンテナ、ドアを開けると、中は客室となっています」

34ある建築用コンテナを活用した客室は、広さがおよそ13平方メートル。

トイレやユニットバス、家電も備え付けられているほか、コインランドリーも利用できます。

施設を5年前から全国に順次、展開しているのが、建築や不動産事業などを手がける千葉県の会社「デベロップ」です。

きっかけは、東日本大震災でした。

デベロップ 岡村健史 社長

「災害の時に一番困っている人たちが、空間のなさに苦しんでいるのを見て、なんとかできないかなと思ったのが想起のきっかけではあるんですけど」車輪もついている、動くコンテナは、被災地などに移設することもできます。

災害時の避難所などとして活用できるようにと、3月30日、福山市は「デベロップ」と協定を結びました。

福山市によりますと、移動式宿泊施設の提供に関する協定は、県内の自治体では初めてだということです。

福山市 枝広直幹 市長

「災害は予測のつかない課題をわれわれに突然、突き付けてくる。いろいろな使い道があるとたいへん期待しています」デベロップは、全国113の市町村と協定を結んでいて、2021年以降の新型コロナ対応ではコンテナホテル延べ147室を提供してきました。

デベロップ 岡村健史 社長

「平時はビジネスホテルとして、有事はレスキューホテルとして使えないかなと。一番に地元の方のためにお仕事お手伝いさせてもらえたらと」

“二刀流” ともいえる新しい形のホテル…。宿泊料金はダブルルーム1泊で1人利用6200円から、2人利用で8700円からとなっています。