【神戸新聞】
2023/4/26
兵庫県の斎藤元彦知事は26日、国内外で利用が広がる対話型人工知能(AI)「チャットGPT」の活用策を検討するため、庁内にプロジェクトチームを立ち上げると発表した。情報政策課やデジタル改革課など関係各課の職員で構成し、秋をめどにガイドラインを取りまとめる。
チャットGPTは、利用者の質問に自然な文章で回答するのが特徴とされる。会見で斎藤知事は、実際にチャットGPTを使って「県政にどう生かせるか」を質問してみたことを紹介。「業務の効率化」や「住民サービスの向上」などの回答がすぐに示され、「情報の体系的な整理や、膨大な報告書の要約に使えると感じた」と話した。
一方で、チャットGPTは正確性や情報漏えいが課題とされ、「いかにチェック機能を働かせるかが大事」と指摘。「県庁の業務は多様化しており、限られた人員で生産性を高める必要がある。課題がクリアできれば、積極的に活用したい」と述べた。
5月上旬から随時会合を開き、有識者や先行自治体への聞き取りを進める。庁内業務での実証も計画し、効果や正確性を検証する。
国内では神奈川県横須賀市が全庁で試験導入する一方、鳥取県は予算編成や議会答弁の作成など、県の意思決定に関わる業務での使用を禁じている。(田中陽一)