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【ベストカー】水素エネルギーがトラックの未来を変える!! トヨタとダイムラー提携の真の狙いとは?/2023年6月14日

【ベストカー】

2023年6月14日

 トヨタ自動車とダイムラートラックが、それぞれの子会社である日野自動車と三菱ふそうトラック・バスの経営統合で基本合意した。その大きなテーマとなっているのが「水素エネルギー技術の同時開発」だが、世界的にも国内的にも競争関係にある大手メーカー同士の協業が、なぜ必要なのだろうか?

文/トラックマガジン「フルロード」編集部
写真/フルロード編集部、トヨタ自動車、ダイムラートラック

運行距離の長いトラックに適したFC

5月30日の4社協業発表会見。左から日野の小木曽聡社長CEO、トヨタの佐藤恒治社長CEO、ダイムラーのマーティン・ダウムCEO、三菱ふそうのカール・デッペンCEO

5月30日に開催された記者会見で、トヨタの佐藤恒治社長CEOは「ダイムラーとトヨタが商用車向けCASE技術で協業し、三菱ふそうと日野のグローバル競争力を高める。特に、水素エネルギー技術を中心に互いに協力し、世界で戦う事業基盤を築く」と経営統合の意義を述べていた。

『CASE技術』とは、C=コネクティッド・A=運転自動化・S=シェアリング・E=電動化に関する技術のことだが、佐藤社長が強調している水素エネルギー技術は、トラックの電動化で本命視されているものだ。

そして、水素エネルギーを用いた電動化とは、燃料電池(FC・フューエルセル)およびそれを搭載する燃料電池車(FCV)を示す。エネルギー密度の高い水素から電力を取り出せるFCは、バッテリーEVよりも長い航続距離を確保できることから、運行距離の長いトラックに適しているとされる。

例えば、2022年にダイムラーが公開した、メルセデス・ベンツブランドの大型トラック「アクトロス」4×2駆動セミトラクタ・ベースのプロトタイプ車の場合、バッテリーEV「eアクトロス・ロングホール」が航続距離500kmに対し、FCV「GenH2トラック」は1000kmを実現する見通しで、片道平均500kmといわれる欧州の長距離トラック輸送を、水素満タン1回で往復できることになる。

小型~大型トラックで実証試験を進めるトヨタ

トヨタと日野の共同開発による大型FCトラック・プロフィアZ FCVプロトタイプ

もっとも、現時点でのFCは、寿命が短さと価格の高さが大きな課題だ。しかし、大型トラック用FCモジュール(FCセルを集積したFCスタックに補機類を装着したもの)には、高出力を連続的に発生できる性能とともに、その高負荷に対する耐久性も求められる。そのためには、より高度な材質、より高度な発電制御といった先進技術が必要とされ、価格を下げるには大量生産しかない。

トヨタ、ダイムラー(当時は乗用車部門を含む)は、ともに1990年代からFCを開発、2010年代半ばには、世界に先駆けて乗用車用FCモジュールおよびFC乗用車を実用化してきたパイオニア同士で、そして現在、お互いにFCトラックの開発を進めている。

まずトヨタは、2001年から日野の大型路線バスをベースとした大型FCVの実証テストをスタートするなど、商用車向けFCの研究に早期から着手しており、2018年には大型FC路線バス「SORA」の市販化に漕ぎつけた。

トヨタ製FCはもともとFC乗用車用だが、SORAにも搭載しており、さらに2020年から実証テストを開始した小型FCトラック(トヨタ・ダイナベースとCJPTのいすゞ・エルフベース)、2023年から同じく車両総重量25トンクラス大型FCトラック(プロフィアZ FCV)にも搭載している。また、カリフォルニア州でのFCV実証テストで協力関係にある、米・PACCARグループ(ケンワース/ピータービルト)のクラス8大型FCトラックにも、さきごろFCパワートレーンキットとして正式供給が決まった。

そして6月12日には、2026年までに商用車に対応した次世代FCシステムの実用化を発表した。この次世代FCシステムでは、FCセルの出力密度を30%アップ、水素消費を改善することで、航続距離を20%向上しながら、FCスタック(FCセルの集積ユニット)のコストを1/2に下げるという。

次ページは : 大型車用ヘヴィデューティーFCをボルボ合弁で開発するダイムラー

 

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