【講師】
吉永　みち子さん（ノンフィクション作家）

▼講演内容
―これまでの社会は“自分らしく”の前にまず、“男らしさ”“女らしさ”があった。特に女性はこれまで“〇〇さんの奥さん、おかあさん、おばあちゃん”と，自分の名前とさえ無縁で生きてきた―

男女共同参画社会というものができる前は、男らしく・女らしく生きる社会では自分らしく生きる事は尊重されませんでした。
男社会の中に入り名刺を作ってもらってもずっと「姉ちゃん」と呼ばれて、女性が固有名詞で呼ばれることが難しいと感じました。男性も仕事や肩書が無くなると、「粗大ゴミ」「ぬれ落ち葉」などと呼ばれ、ようやく「自分らしく生きて来なかった」と気付く点では同じでした。
男だから女だからという性別に拘わらず「自分らしさ」が問われる時代へと変化している今こそ、自分は何をしたいのかをしっかりわかっていることが必要です。でもまだ、世間の壁が立ちはだかり、自分らしく生きにくい社会であることも事実です。
人の数だけ生き方があります。お互いの色を尊重し、認め合える社会の実現に向け、これまでの人生を振り返りながら、お話しいたします。